HOME > イベント・セミナー情報 > JNSA賞
2025年度 JNSA表彰のご報告
2025年度
2026年1月14日
特定非営利活動法人 日本ネットワークセキュリティ協会
JNSAでは、情報セキュリティ向上のための活動を積極的に行い広く社会に貢献した、あるいはJNSAの知名度向上や活動の活性化等に寄与した個人、団体、JNSAワーキンググループ を対象に「JNSA賞」と称する賞を贈る制度を、2006年度に発足いたしました。
この賞は、情報セキュリティの向上に寄与された方々を広く紹介し、その活動を称え、更に積極的な活動をしていただけるよう、設置したものです。この賞が、広く社会に情報セキュリティが根付く発端となり、より良い社会を実現できる一助になればと考えています。
受賞者決定まで
2025年10月に、過去にJNSAの知名度向上、活動の活性化、また広く社会の情報セキュリティの向上に貢献した個人、団体、JNSAワーキンググループの推薦(自薦、他薦は問わず)を募集しました。最終選考会を2025年12月に開催し、受賞者を決定しました。
「JNSA学生賞」には、「成長分野を支える情報技術人材の育成拠点の形成(enPiT)Basic SecCap カリキュラム」enPiT-Securityからの推薦に加え、「独立行政法人国立高等専門学校サイバーセキュリティ人材育成事業」(K-SEC)からも推薦を受けて表彰いたします。
※JNSA学生賞については、それぞれの推薦母体にて選考が行われております。
2025年度 受賞者
ワーキンググループ(WG)の部(1件)
◇長年にわたる継続的な市場調査と実態に即した報告書の公開により業界へ大きく貢献してきた
・調査研究部会 セキュリティ市場調査ワーキンググループ
(リーダー:AKKODiSコンサルティング株式会社 玉川 博之氏)
セキュリティ市場調査WGは20年にわたり調査活動を実施し、報告書を毎年公開してきました。これらの報告書は定常的に閲覧・参照され活用されていることから、当協会ならびに業界への貢献度は非常に高いといえます。
また、長期にわたり調査を継続していることから、市場の経年変化を把握できる内容になっていることに加え、近年のWG活動としては、新製品・サービス区分の見直しも意欲的に実施し、実態に即した市場調査報告書を公開しています。今後もさらなる継続と発展を期待します。
国内情報セキュリティ市場調査報告書>>
特別賞(3件)
◇20年にわたり報告・情報共有・ガイドライン発行・官民連携を通じて国内のフィッシング詐欺対策に大きく貢献
・フィッシング対策協議会
2005年の設立以来20年にわたり、国内におけるフィッシング詐欺対策の中核的役割を担ってこられました。利用者からのフィッシング報告を一元的に受け付け、関係省庁・企業・業界団体へ迅速に共有する体制を構築することで、被害拡大の防止に大きく寄与されています。
また、攻撃手法の高度化に対応した注意喚起や技術的ガイドラインの発行を継続し、実務者が参照できる標準的な対策指針を提供してこられました。
さらに、官民を横断する情報連携の場を形成し、企業・研究者・行政が協働して課題に取り組むコミュニティを育てるなど、国内のフィッシング対策基盤の整備と発展に長年にわたり多大な貢献をされてきました。これらの功績に深く感謝の意を表し、特別賞を贈呈いたします。
◇警察庁やJC3との連携・情報提供を通じてインド中央捜査局のサポート詐欺拠点摘発に寄与
・日本マイクロソフト株式会社 Customer Protection / Microsoft Corporation Digital Crimes Unit
・株式会社ラック サイバー・グリッド・ジャパン
警察庁やJC3といった国内機関と緊密に連携し、情報提供を行うことを通じて、インド中央捜査局によるサポート詐欺拠点の一斉摘発に民間企業として貢献されました。
サポート詐欺は国内でも大きな問題となっているサイバー犯罪であり、一時的ではあるにせよその低減に寄与されたことは、社会全体の情報セキュリティ向上に大きく貢献するものでした。
また、世界各国の法執行機関との協力例は多数ありますが、日本の組織(JC3や警察庁)との連携は今回が初めてのことであり、今後も国内各機関と協力してサイバー犯罪の摘発に取り組んでいただけることを期待するとともに、深い感謝の意を表し、特別賞を贈呈いたします。
◇日本のサイバーセキュリティ産業を長年牽引し、企業経営・人材育成・政策提言から国家的防御体制の強化に多大な貢献
・西本 逸郎氏(株式会社ラック 技術顧問)
日本のサイバーセキュリティ産業を牽引してこられた第一人者であり、その功績は企業経営の枠を超え、社会基盤の強化に直結するものです。株式会社ラックの代表取締役社長として、国内最大級の監視センターであるJSOCを発展させ、国家規模でのサイバー防御体制の確立に寄与されました。さらに、日本ネットワークセキュリティ協会においては、理事、幹事、社会活動部会部会長を歴任されたほか、事業コンプライアンス部会部会長として「倫理行動宣言」の策定や法令リスク情報の整備を主導し、業界の信頼性向上に尽力されました。
また、業界団体の要職を歴任され、セキュリティ・キャンプ協議会理事として若手人材の育成にも力を注ぎ、裾野の拡大に大きく貢献されています。加えて、内閣官房、総務省、経済産業省など多くの政府委員会にも参画し、政策提言と普及啓発の双方で社会的役割を果たしてこられました。
技術者、経営者、政策提言者という三つの顔を兼ね備え、産業界と社会の双方に橋を架けてこられた西本氏は、我が国サイバーセキュリティの象徴的存在であり、その功績に深く敬意を表し、特別賞を贈呈いたします。
個人賞(3件)
◇現場教育と普及活動を強力に推進して中小製造業のセキュリティ向上に大きく貢献した
・岡本 登氏(富士通株式会社)
「今すぐ実践できる工場セキュリティ対策のポイント検討WG」の立ち上げを自ら提案し、強いリーダーシップで牽引されました。中小製造業のセキュリティ対策が遅れている現状を危惧し、現場に寄り添った実践的なアプローチを確立されたことは大きな意義があります。また、岡本氏の指導のもと、WGはハンドブック3部作を完成させました。
これらのハンドブックは、現場担当者や経営層が「すぐに取り組める」内容で構成されており、セキュリティに不慣れな工場担当者にも対策の第一歩を促す画期的な成果物となりました。
さらに岡本氏は、工場現場へのヒアリング、ワークショップの企画・実施、経営者グループとの勉強会など、現場での活動を積極的に推進されました。現場教育における革新的な手法は大変好評であり、地元機関や経営者グループからの講演依頼も増加し、普及フェーズにおいても強い牽引力を発揮されています。
岡本氏の先見性と行動力がなければ、これらの成果は生まれず、中小製造業のセキュリティレベル向上に大きく貢献されたことを高く評価します。
西日本支部の成果物
◇外部イベントへの積極的な発信活動を通じてJNSAの認知度と社会的価値を大きく高めた
・岡部 康弘氏(株式会社AGEST)
従来の部会活動の範疇を超え、外部の大型展示会やカンファレンスに積極的に参画し、JNSAおよび各WGの活動成果を組織の枠を超えて広く社会に発信することで、JNSAのブランド価値と認知度を飛躍的に向上させてこられました。
数多くのイベントにおいて、JNSAの活動成果を紹介するパネルセッション枠を獲得し、登壇を実現されたほか、全国セミナーの企画・登壇や内部勉強会の企画を継続的に実施し、組織内の知識共有と活性化にも大きく貢献されました。これらの取り組みは、JNSAが持つ専門的な知見や成果物をIT業界全体、さらには一般企業へ広く周知する上で決定的な役割を果たし、その結果、JNSAのブランドイメージおよび認知度は大きく向上し、社会的な存在価値を高めることに成功しました。
よって、この傑出した功績に対し、今後の活動のさらなる継続と発展を期待します。
◇官民・国際連携を実現してJNSAの国際的ネットワーク構築と日ASEANのサイバーセキュリティ連携に大きく貢献した
・伊藤 整一氏(株式会社大和研究所)
2023年に「日ASEANサイバーセキュリティ共同フォーラム(AJCCA)」の設立に貢献され、さらに2025年10月10日には、AJCCAの第2回目となるカンファレンス「AJCCA Annual Conference in TOKYO 2025」をJNSAが主催者として開催することに大きく寄与されました。これはJNSAとして初めての本格的な国際イベントであり、ASEAN諸国から40名以上、国内から80名以上の参加を集め、加えてNCO(内閣官房国家サイバー統括室)や経済産業省などの政府機関の参加も得るなど、官民連携と国際連携を実現されました。
これらの取り組みにより、JNSAの国際的なネットワーク構築が大きく前進し、ひいては我が国とASEAN各国とのサイバーセキュリティ分野における連携強化に多大な貢献をされたことを高く評価します。
AJCCAページ
AJCCA Annual Conference in TOKYO 2025ページ
JNSA学生賞(3件)
◇「成長分野を支える情報技術人材の育成拠点の形成セキュリティ分野(enPiT-Security)実践的人材育成コース「Basic SecCap」」参加学生表彰
・岡山大学 学部4年 高尾 哲平氏
2024年度にBasic SecCap 7を修了し、2025年度には継続してenPiT演習を履修し、Basic SecCap 10を修了する見込みです。継続的に高度なセキュリティ教育プログラムに取り組む姿勢から、強い向上心と学習意欲が伺えます。
さらに、セキュリティ分野の実践的な競技にも積極的に挑戦しており、2025年4月から5月に開催された情報危機管理コンテストでは、チームの一員として決勝に進出し、チャレンジング賞を受賞されました。
また、2025年10月25日開催予定のMWS Cup(サイバー攻撃・マルウェア解析の実践的スキルを競うコンテスト)に向けて、enPiTで習得した知識を活かしながら継続的に準備を進めています。このように、常に高い目標を掲げ、実践を通して学びを深める姿勢を持つ優秀な学生であり、今後もさらなる成長と活躍を期待します。
・大阪大学 学部4年 筒井 大揮氏
学部3年時に2024年度のBasic SecCap10の認定を受けられ、4年次にはJAIST開催の大学院インターンシップA(セキュアFPGA実装演習)を受講し、高度な専門知識の習得に努めるなど、非常に向上心の強い学生です。2024年度の1年間を通して、専門科目において極めて優秀な成績を収めただけでなく、PBL演習では出題課題に対して積極的に議論を行い、チームに大きく貢献し、優秀な評価を得ています。
また、Basic SecCap関連科目においても優秀な成績を収め、さらにコンピュータセキュリティシンポジウムCSS2025への参加など、研究活動にも熱心に取り組んでいます。すでに大学院入試にも合格しており、今後のさらなる活躍を期待します。
◇「独立行政法人国立高等専門学校機構 サイバーセキュリティ人材育成事業(K-SEC)」学生表彰
・木更津工業高等専門学校 情報工学科4年 常木 丈鳳氏
クラスメイト4名とともにCTFチーム「m01nm01n(モインモイン)」として、また個人としても多くのCTFに出場し、年間で20以上のCTF大会に参加するなど、継続的に挑戦を続け、顕著な成績を収めています。
さらに2025年には、Midnight Flag CTFのFinal(フランス開催)に出場し、学生チームとして第3位(全体7位、個人成績1位)という優れた成果を挙げ、またcodegate2025 Finalにも進出するという快挙を達成されました。
また、学内にサイバーセキュリティ同好会を立ち上げ、学内外でCTFに関する勉強会を開催し、大規模CTF大会での作問にも携わるなど、積極的な活動を通じてスキル向上に努めるとともに、高専におけるCTFの認知度向上やCTFの普及・発展に大きく貢献しています。これらの継続的な努力と協働による成果を高く評価します。