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2022年度 JNSA表彰のご報告
2022年度


2023年1月23日
特定非営利活動法人 日本ネットワークセキュリティ協会


JNSAでは、情報セキュリティ向上のための活動を積極的に行い広く社会に貢献した、あるいはJNSAの知名度向上や活動の活性化等に寄与した個人、団体、JNSAワーキンググループ を対象に「JNSA賞」と称する表彰を贈る制度を、2006年度に発足いたしました。

この賞は、情報セキュリティの向上に寄与された方々を広く紹介し、その活動を称え、更に積極的な活動をしていただけるよう、設置したものです。この賞が、広く社会に情報セキュリティが根付く発端となり、より良い社会を実現できる一助になればと考えています。

受賞者決定まで

2022年9月に、過去にJNSAの知名度向上、活動の活性化、また広く社会の情報セキュリティの向上に貢献した個人、団体、JNSAワーキンググループの推薦(自薦、他薦は問わず)を募集しました。最終選考会を2022年12月に開催し、受賞者を決定しました。
「JNSA学生賞」には、「成長分野を支える情報技術人材の育成拠点の形成(enPiT)Basic SecCap カリキュラム」enPiT2からの推薦に加え、今年度から「独立行政法人国立高等専門学校サイバーセキュリティ人材育成事業」(K-SEC)からも推薦を受けて表彰いたします。
※JNSA学生賞については、それぞれの推薦母体にて選考が行われております。

表彰式

2023年2月2日(木)「JNSA設立20+3周年記念イベント講演会」にて、表彰式が行われました。
講演会の案内はこちら>>

2022年度 受賞者

JNSA賞受賞者

ワーキンググループ(WG)の部

◇WGの活動にとどまらず、JNSA会員サービスの拡充への貢献や外部組織での活動を高く評価

・社会活動部会 中小企業支援施策ワーキンググループ
(リーダー:トレンドマイクロ株式会社 岩本 真人氏)

国内のセキュリティにおいて懸案となっている中小企業向けのセキュリティ対策を検討するワーキンググループを立ち上げ、活動から1年で5つのサブワーキンググループが派生するなど活発な活動を推進してきた。
また、JNSAソリューションガイドサービスをより広くりようされるサービスにするための計画を推進し、会員向け、利用者向けのサービスの拡充にも貢献していることが評価された。
また、独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営する「いつでもどこでも経営相談 - 経営相談チャットE-SODAN」へのセキュリティコンテンツの反映、サプライチェーン・サイバーセキュリティ・コンソーシアム(SC3) 中小企業対策強化ワーキンググループの活動サポートなど、JNSA外部の活動へも大きく貢献している。

中小企業支援施策ワーキンググループの紹介>>

個人賞(2件)

◇日本のセキュリティレベル向上に大きく寄与

・阿部 慎司氏(GMOサイバーセキュリティ byイエラエ株式会社|日本セキュリティオペレーション事業者協議会(ISOG-J) 副代表)
・武井 滋紀氏 (NTTテクノクロス株式会社|日本セキュリティオペレーション事業者協議会(ISOG-J) 副代表)

日本セキュリティオペレーション事業者協議会(ISOG-J)の成果物を国際基準「ITU-T X.1060サイバーディフェンスセンター構築・運用のフレームワーク」として策定することに大きく貢献するとともに、普及に尽力することにより、日本のセキュリティレベル向上に寄与していることが評価された。
参考情報
国際基準「ITU-T X.1060サイバーディフェンスセンター構築・運用のフレームワーク」で整える今後のセキュリティ組織とは(ScanNetSecurity紹介記事)>>

特別賞(3件)

◇多くのセキュリティ技術者のスキル向上に大きく貢献した

・Hardening Project(和名:ハードニングプロジェクト)

Hardening Project(和名:ハードニングプロジェクト)が主催する、ハードニング競技会は、最高の「守る(Hardening)」技術を持つトップエンジニアを発掘、顕彰するための競技大会(イベント)で、「サイバー攻撃に対し、現実の運用をなぞったシナリオへの対応」を求める Hardening Dayに加えて、振り返りを行う Softening Dayで構成されている点に特徴がある。単に脆弱性対策などの要素としてのセキュリティ対策だけではなく、仮想のECサイトの運営を通じて総合的なセキュリティ対策の在り方を提示し、トレーニングの機会を提供したこと、MINI Hardening, Micro Hardeningなど多様な参加手段を提供していることを通じて、多くのセキュリティ技術者のスキル向上に大きく貢献したことが評価された。
2022年度グッドデザイン賞を受賞しており、社会評価も高い。
JNSAメールマガジン75号で紹介しています>>「セキュリティの8耐「Hardening Project」」


◇セキュリティ業界の女性のキャリア形成やイメージアップへの貢献に寄与し、今後の活動に期待

・Leading Cyber Ladies Japan

2015年にLeading Cyber Ladies(LCL)がイスラエルで発足され、2021年に東京支部が設立された。
Leading Cyber Ladies Japanは、組織を超え、セキュリティだけに限らず情報系の全般に関わる女性のためのキャリア育成を幇助するための基盤として活動を開始している。業界の活性化に働きかける団体として今後の活動が期待されるとともに、2022年には学生が活動するLeading Cyber Ladies Youthが立ち上がり、今後の業界を担う若者の育成への貢献も期待できる。また、同じくLCL-Tokyoで初めてのワーキンググループ「セキュ女ブランディングワーキンググループ」も発足し、定期的な活動を継続している。
こうした女性専門家同士の交流を通じて、セキュリティ業界の女性のキャリア形成やイメージアップへの貢献に寄与していること、および業界への今後の活動への期待をもたらしていることが評価された。
JNSAメールマガジン247号で紹介しています>>「サイバーセキュリティ業界の女性コミュニティについて」


◇我が国におけるCTFの先駆的な位置づけであり、国内CTFの基礎となる活動を評価

・SECCON CTF運営チーム|インフラ&NOCチーム

(授与代表者 前田 優人氏(株式会社サイバーディフェンス研究所)、野村 敬太氏(株式会社MIXI / LifeMemoryTeam))
SECCON CTF運営・インフラ&NOCチームは、最新の技術を用いてわが国独自のCTFを開催し、感染症対策が進む社会状況下においても、オンライン開催を行い、昨年は1447人(76カ国)と多くの参加を得ている。
運営チーム各々が持つ高い技術力を活かしたCTFとして活動が継続されてきた。また、作問では、最新のトレンドと各々が持つ技術力を高度に組み合わされた高品質な問題を提供しており、 CTFtime での "Weight" で高値を得ており、世界的にも高い水準のコンテストとして評価されている。また、運用では、CTF競技システムをクラウド化し、カスタマイズしたインフラ構築自動化ツール等の最新のテクノロジーを用いることで、運用の負荷やシステム全体の透明性を高め、参加者に対して快適な環境を提供し続けた。
このような彼らの活動は、我が国におけるCTFの先駆的な位置づけであり、国内の様々な組織のCTFの参考となっていることが評価された。

JNSA学生賞(3件)

◇「成長分野を支える情報技術人材の育成拠点の形成(enPiT2)Basic SecCap カリキュラム」参加学生表彰

・佐治和馬氏(岡山大学,学部4年)

2020年度のBasic SecCap修了生。
Basic SecCap8を優秀な成績で修了し、今年4月〜5月に開催された「第17回情報危機管理コンテスト」で「文部科学大臣賞」を受賞したチームに所属し、学んだセキュリティの知識を生かして活躍することでチームの成績に貢献した。

・須藤文仁氏(東京電機大学,学部3年)

BasicSeccap10修了見込みであり、非常に積極的に参加している。 その熱心な姿勢は他の学生にも演習や議論に参加しやすい雰囲気を形成し、周りへも大きく良い影響も与えてきた。また、学外活動としてはインターンシップにも積極的に参加するなどし、セキュリティ研究室への配属を希望しており、今後の活躍が期待できる人物として評価した。


◇「独立行政法人国立高等専門学校機構サイバーセキュリティ人材育成事業(K-SEC)」学生表彰

・西川 優一郎氏(香川高等専門学校/専攻科1年)

第26回サイバー犯罪に関する白浜シンポジウム併設の第17回情報危機管理コンテストに詫間情報安全管理局Bチームのメンバーとして参加し、チームは高専・大学13校の学生・大学院生20チームが参加する中、5チームで決勝戦を争い、その結果アグレッシブ賞を受賞するとともに、個人2名のみに与えられるJPCERT/CC賞を受賞した。
また、詫間情報安全管理局Bチームは詫間情報安全管理局Aチームとともに、学内の研究会や大会等において後輩の指導に尽力するとともに、他のコンテストにも積極的に参加にしている。 このような点を評価し、詫間情報安全管理局Bチームを代表して西川氏を表彰することとした。