インシデント事例紹介とその対策~関連法規編<事例>~
LANの普及やインターネットの普及により、企業ネットワークをとりまく環境や企業における情報の取り扱いは大きく変化しました。大きな変化の中で、企業ネットワークや企業情報を適切に保護するため、さまざまな関連法規および各種制度が整備されてきています。

「関連法規編」では、個人情報保護、知的財産権の保護、不正アクセス対策、情報セキュリティマネジメント、などをキーワードにして、情報セキュリティの関連法規や制度を取り上げます。
挿絵
情報セキュリティに関する法規は「知らなかった」では済まされません。また、各種制度も企業にとって重要なポイントとなるものです。
ソフトウェアの不正コピー
ソフトウェアは著作権法でその著作権が保護されており、ソフトウェアを無断でコピーすることは、著作権法違反にあたります。
事例:コンピュータスクールで実習用のソフトウェアを 不正コピー (2002年9月)

東京、大阪の3つのコンピュータスクールに対し、ソフトウェアメーカー数社が、スクール内での実習に使用するソフトウェアを不正にコピーしていたとして、著作権侵害による損害賠償請求の訴えを起こした。

訴えによると、いずれのスクールにおいても、コンピュータ技術などを習得するために生徒や受講生が実習に使用するコンピュータで、多数のコンピュータソフトウェアが不正にコピーされており、3校がそれぞれ請求された損害賠償額の合計は、約5億7000万円にものぼった。

事例:企業内でソフトウェアを不正にコピー (1999年12月)

ソフトウェアメーカー7社が、東京都内に本社を置く株式上場企業を、企業内不正コピーを行っていたとして、著作権法などに基づき損害賠償を求める訴訟を起こした。

訴えによると、被告側企業では、同社の技術本部技術計算室において全社内のソフトウェアを一元管理しており、各部署の申請に応じてオリジナルディスクを貸し出し、インストール後、技術本部に返却させるという不正コピーを続けていたとのことで、原告側ソフトウェアメーカーは、不正コピーソフトの破棄、使用中止と共に1995万円の損害賠償を請求した。
▲ページトップへ