インシデント事例紹介とその対策~関連法規編<企業の社会的責任>~
企業はさまざまなサービスを社会に提供するとともに、社会に対するさまざまな責任や義務を負っているともいえるでしょう。
企業での個人情報の取り扱い
企業では、顧客へのサービス提供のため、業務上さまざまな個人情報を収集、蓄積、利用しています。顧客の個人情報は、顧客に対して的確なサービスを提供するために必要な情報です。したがって、企業には業務遂行上、個人情報を取り扱う権利があるともいえます。しかし同時に、個人情報を適切に保護する義務もあります。
  • 企業が取り扱う個人情報の中には、センシティブな情報(思想、信条、疾病記録など、特に取り扱いに注意を要する個人情報)も含まれる
  • 個人には、「自己に関する情報をコントロールする権利」がある
  • 秘密保持義務の認識が必要不可欠である
  • 個人情報漏えいに対する損害賠償請求など、法的責任を問われる場合もある
どこから個人情報が漏えいするのか
  • インターネット接続環境等の運用面での対策不備
    ― 不正アクセスされ、情報を盗まれる
    ― 「見えてはいけない情報」が丸見えになっているのに気付かない
  • 社員など「人」の管理面の対策不備
    ― 社員による顧客データの無断持ち出し
    ― ホームページで収集した個人情報の管理体制の不備
知的財産権の保護など、各種法制度の遵守
著作権など知的財産権の保護は、企業の事業活動にとって重要な事柄です。ソフトウェアの不正コピーなど著作権を侵害する行為は、当該ソフトウェアを開発、販売している企業に対する営業妨害にもつながります。

著作権法以外にも、不正競争防止法、不正アクセス禁止法など、企業の事業活動を保護し、育成するために必要不可欠な各種法制度があります。これらの法制度を理解し、事業活動を通じて産業の発展に寄与することは、企業にとって重要な使命といえるでしょう。
知的財産権の保護など、各種法制度の遵守の図
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