Network Security Forum 2001開催のご挨拶
日本ネットワークセキュリティ協会会長
石田 晴久
 JNSAは2000年4月に会員数63社により任意団体として発足したが、2001年4月には、早くも会員数104社に達した。 当初から懸案だったニュースレターも3月に発刊の運びとなった。 これは、他の協会に比べて、非常に速いピッチであり、セキュリティビジネスの急速な発展を物語っているといえよう。 更に今回、JNSA主催のネットワークセキュリティフォーラムを開催することとなった。 2日間のネットワークセキュリティを専門とする、カンファレンスと展示会を開催するが、 電子政府の実現や、CA局を始めとするPKIが一般的にも使われるようになってきており、 一方でサーバー犯罪や家庭での常時接続などの考慮すべき事柄も多い。 今回のネットワークセキュリティフォーラムが、これらの布石となることを期待している。

 さて、JNSAの今年の大きな課題は、法人化である。 業界団体は任意団体の方が動きやすい面もなくはないが、社会的な認知は受けられず、 何かあると、役員が個人で責任を負わなければならないといった弱点がある。 一方、当協会が法人となれば、社会的な認知がえられ、公共のプロジェクトを受託することも可能になる。 社会への提言や発言さらには他組織との連携もやりやすくなるであろう。 また、PKIや認証制度などについての活動も進展するものと期待できる。

 次に、当協会として、一層強化する必要のあるのは、他の組織との連携である。 まず産学協同の面では、昨年、新宿にある工学院大学との共同プロジェクトを立ち上げることができ、 同大学提供の実験室で、セキュリティ機器の相互接続性(互換性)のテストおよび問題点の是正を行う作業がスタートした。 これには、院生のほか学部学生も参加していて、人材育成の面でも将来が楽しみである。 セキュリティ意識の向上に向けた社会教育にもつなげたいものである。 JPCERTやIPAセキュリティセンターなどとの連携もすすめたい。

 最後に、当協会が短期間に成果をあげられたことに対し、下村事務局長をはじめとする会員の方々に感謝したい。 今年もさらになる活動をお願いしたいところである。