ご挨拶

JNSA会長/AJCCA副会長　江�ｱ　浩デジタルトランスフォーメーションの進展に伴い、サイバー脅威は国境を越えて、これまで以上に高度化・巧妙化しています。
急激なサイバーリスクの脅威の拡大を受け、2023年10月に開催されたNISC主催の「日ASEANサイバーセキュリティ共同フォーラム（英記：IC-AJCC）」にて、ASEAN各国のサイバーセキュリティ業界団体の代表者が招へいされ、相互にMOUを締結し、ASEAN8ヶ国＋日本の協会団体でASEAN Japan Cybersecurity Community Alliance (AJCCA)という連合を創立いたしました。（現在10ヶ国）

本年10月10日、AJCCAのメンバーであるJNSAは、ホスト国協会として、第２回目の 「AJCCA Annual Conference in TOKYO 2025」を東京にて開催いたします。

本イベントでは、国内外のサイバーセキュリティ分野をリードするトップエキスパートを招へいし、最新の脅威動向、リスク管理、先進的な対策手法について深い知見を共有します。
基調講演やパネルディスカッションを通じて、産業界、政府機関、学術機関など多様な分野の皆様に対し、実践的かつ戦略的な情報をご提供いたします。

日ASEAN地域におけるサイバーセキュリティコミュニティの連携強化と、持続可能なサイバー・レジリエンスの実現を目指す重要な場となります。ぜひご協賛賜りますようご案内申し上げます。

開催概要

プログラム

*1: ASOCIO（The Asian-Oceanian computing industry organization）: アジア・オセアニア・コンピューティング産業機構
*2: MADE（Mapping ASOCIO Digital Economy）
*3: ACRA（AJCCA Cyber Resilience Awards）:AJCCAサイバーレジリエンスアワード

※スポンサー枠の講演時間帯は、内容により変更されることがあります。
※プログラム内容は予告なく変更となる場合がございます。

登壇者紹介

■オープニング講演

飯田 陽一 氏
内閣サイバー官（併）国家安全保障局次長

1989年4月、通商産業省入省。大臣官房、貿易局、産業技術環境局、製造産業局、資源エネルギー庁等にて勤務の後、宇宙産業室長、NEDO欧州事務所長（フランス）、航空機武器宇宙産業課長、貿易管理部長、貿易経済協力局長等を歴任。
貿易管理部長・貿易経済協力局長として、輸出管理・対内投資審査の強化のための二度の外国為替及び外国貿易法の改正、コロナ禍をはじめとする貿易投資リスクへの対応を強化する貿易保険法の改正やロシアのウクライナ侵攻を受けた経済制裁等を担当。
2022年7月から内閣審議官（国家安全保障局）、2023年7月から内閣府政策統括官（経済安全保障担当）として、経済安全保障推進法の施行準備を担当し、2024年5月に制度全体の運用を開始。また、2024年5月に成立した重要経済安保情報保護活用法案を担当。
2024年9月、内閣サイバーセキュリティセンター（NISC）に異動し、同センター長代理として、能動的サイバー防御を実現するためのサイバー対処能力強化法案及び関連整備法案等を担当。
2025年7月、内閣サイバー官に就任。国家サイバー統括室の事務を掌理する。
東京大学工学部都市工学科卒。米国デューク大学大学院修士（国際開発政策）。

■基調講演1

Rudi Lumanto 氏
AJCCA会長、インドネシア・ネットワーク・セキュリティ協会iIdNSA）創設者兼顧問

2011年から2020年3月までインドネシアの国家CSIRTであるId-SIRTII/CCの前会長。1988年から2020年3月まで、インドネシア国の技術の応用と評価機関（BPPT）、通信情報省、サイバー暗号庁（BSSN）に勤務。2011年に IdNSAを設立しました。現在はIdNSAのアドバイザーであり、インドネシア大学工学部情　報セキュリティ大学院の講師でもあります。また、OIC-CERT Global Cybersecurity Awardの審査員を務め、2020年に日本国総務省より、ITU AJ賞を受賞。日本で工学学士、工学修士、博士号を取得。
関連サイト　※ https://ajcca.net/ https://idnsa.id/

■基調講演2

Stan Singh 氏
Asian-Oceanian Computing Industry Organization - アジア・オセアニアコンピュータ産業機構（ASOCIO）会長

ICT業界のリーダーであるStan Jit Singh氏は、アジア・オセアニア地域をはじめ世界各地で40年以上にわたり活躍し、イノベーションの推進、ビジネスとITの融合、そして国・地域レベルでのデジタルトランスフォーメーションを牽引してきました。
主なリーダーシップ歴：ASOCIO会長、ASOCIO元会計担当、APICTA (Asia Pacific ICT Alliance) 元会長、MSC-APICTAアワード 審査委員長（2011-2025）、MRCA（Malaysia Retail Chain Association）元事務局長。
職務経歴：ITおよびテクノロジーマネジメントにおける48年以上の経験（国内外）。銀行、金融、物流、ホテル、小売、空港管理、製造業など多様な分野で39年以上にわたるビジネス・企業リーダーシップ。世界各国で事業を展開する大企業グループにおいてグローバルCIOおよびグループITサービス担当、副社長。IronHorse Asia Sdn Bhd 創設者・主席コンサルタント ― ITとビジネスのアラインメントに特化。
専門分野：デジタルトランスフォーメーション & イノベーション。ITガバナンス & サイバーセキュリティ。事業継続の仕組みづくりと災害時の復旧対応。戦略的なビジネスとITの融合。ビジネスアプリケーション開発。
グローバルでの実績：英国、米国、オーストラリア、中国、香港、東南アジアでの幹部・リーダー職歴。アジア、欧州、米国における複数業界でのデジタルトランスフォーメーションを主導。
業界への貢献：SIRIM（マレーシア規格産業研究所）と連携し、マレーシア初のBCM標準の策定に中心的役割を果たす。APICTA InternationalにおいてICTイノベーションのメンター・審査員として活動。
所属団体：PIKOM 評議員。英国経営学会（British Institute of Management）メンバー。MRCA メディア部門責任者。
関連サイト　※ https://www.asocio.org/ 　

講演タイトル：ASOCIOの提唱するMADE*2におけるサイバーセキュリティ：安全なデジタル未来に向けたAIによるレジリエンスの推進
講演要旨：2025年に東京で開催される第2回AJCCAカンファレンスにおいて、ASOCIO会長は、サイバーセキュリティが持続可能な成長、デジタルトランスフォーメーション、そしてASOCIOのMADE（Mapping ASOCIO Digital Economy）イニシアチブに基づく地域協力において、不可欠な基盤であると同時に大きな課題でもあることを強調して講演します。 意識や政策、倫理、協力の面では前進が見られる一方で、標準化、人材育成、国境を越えたレジリエンスには依然として大きな課題が残されています。
会長は、AIを活用した防御体制の強化、調和の取れた枠組みづくり、そして透明性に基づく信頼できるサプライチェーンセキュリティの推進が急務であることを指摘し、日本とASEANの協力を一層深め、誰もが安心して利用できる強靭で持続可能なデジタル・エコシステムを支える、安全で透明性の高い「デジタル・ハイウェイ」の構築について講演します。

■基調講演3

奥家 敏和 氏
経済産業省　大臣官房審議官（商務情報政策局担当）

1995年に通商産業省（現経済産業省）入省。
2010年より日本貿易振興機構（ジェトロ）New York Centerにて産業調査員。
2013年から資源エネルギー庁需給政策室長。
2015年より安全保障貿易管理政策課長を経て、
2017年よりサイバーセキュリティ課長として産業サイバーセキュリティ研究会の立ち上げ、サイバー・フィジカル・セキュリティフレームワーク（CPSF）の策定等に取り組んだ。
2021年より商務情報政策局　総務課長、2022年より経済産業政策局　総務課長を歴任。
2024年7月より現職。

■特別講演1

Alex Bazhaniuk氏
Eclypsiumの最高技術責任者兼共同創業者

Alex氏は2017年の設立以来、Eclypsiumでファームウェアおよびサプライチェーンセキュリティのプラットフォーム開発を牽引しています。以前はIntelとMcAfeeにて10年間、高度な脅威分析と製品セキュリティに従事し、低レベルプラットフォームの脆弱性研究に注力しました。専門は、UEFI/BIOSなどのリバースエンジニアリング、サプライチェーンリスクの管理、脅威モデリング、セキュアブート回避技術など。研究成果を自社プラットフォームに実装し、企業のファームウェア防御力向上に貢献しています。また、REconやHITBでのトレーニング提供、CHIPSEC関連のオープンソース活動、CISAのHBOMプロジェクトへの助言など、業界全体のセキュリティ強化にも力を注いでいます。さらに、研究と実用の橋渡し役として、最先端の攻撃手法を自動検知機能に応用し、Eclypsiumのプラットフォームに組み込むことで、ファームウェアの専門知識を持たない企業を支え、コミュニティの推進役として、REcon、RingZer0、HITBなどで高度なトレーニングを行い、CHIPSECやドライバーブロックリスト自動化に取り組むオープンソース開発者の指導にもあたっています。戦略的アドバイザーとして、各国のCERTやハードウェアベンダーにサプライチェーンリスクについて助言を行い、CISAのハードウェア部品表（HBOM）構想など業界の取り組みにも貢献しています。
※参考サイト　　https://eclypsium.com/

講演タイトル：プロンプトの下に潜むリスク：生成AIを支える見えない脅威
講演要旨：大規模言語モデル（LLM）がさまざまな業界のアプリケーションを支える中で、ファームウェアおよびハードウェアのセキュリティは今や不可欠な要素となっています。攻撃対象領域はOSやアプリケーションの上層からインフラ層へと移り、AI基盤そのものが新たな攻撃対象となりつつあります。
生成AIのセキュリティ確保には、次の両面が求められます：
- 監視、パッチ適用、アクセス制御といった従来型のサイバーセキュリティ対策
- モデルの完全性やサプライチェーン検証を含むAI特有のガバナンスフレームワーク
メッセージは明確です。モデルを守るだけでは不十分であり、そのモデルが稼働する「マシン」自体を守らなければなりません。
本セッションでは、大規模言語モデル（LLM）や生成AIシステムを支えるインフラの脆弱性に焦点を当て、ハードウェア、ファームウェア、クラウドコンポーネントといった基盤層が、いかに高度な攻撃の標的となりつつあるかを解説します。

■特別講演2

Benson Wu 氏
CyCraftのCEO兼共同創業者

台湾国立台湾大学電気工学研究科博士課程を修了し、博士号（工学）を取得。その後、台湾行政院科技顧問グループ、国家資通安全会報、中央研究院にて副研究員を歴任し、米国Armorize社で技術ディレクターを務めました。2011年には台湾初のAPT対策ソリューション企業Xecure Labを共同設立し、2014年にNASDAQ上場企業Verintに買収され、同社台湾支社長を歴任しました。2017年にCyCraft Technologyを共同設立し、以降AIと国家サイバーセキュリティ戦略分野に深く関与。台湾行政院デジタル発展部サイバーセキュリティ庁監査委員、台湾証券取引所サイバーセキュリティ諮問委員など複数の公職を兼任し、国際的なセキュリティカンファレンスBlack Hat、DEFCON、CODEBLUE、HITCONでも成果を発表しています。台湾情報月間「優秀IT人材賞」や各大学の「傑出卒業生賞」など多数の栄誉を受賞し、サイバーセキュリティ分野で国際的に高い評価を得ています。
※参考サイト　　https://www.cycraft.com/

講演タイトル：AI vs. AI: インジェクション攻撃からガードレール防御、そしてエコシステムのレジリエンスへ
講演要旨：企業が大規模言語モデル（LLM）を導入する際には、敵対的プロンプト注入やシステム侵害など新たなリスクに直面します。本セッションでは、AIを実運用で守るための5つの柱を紹介します。
�@XecART：敵対的レッドチームテストにより潜在的脆弱性を可視化。
�AXecGuard：多層防御で安全かつ業務に即したAI利用を確保。
�BXecArena：インタラクティブ教育により人材の耐性を強化。
�CAssume Breach：ダークウェブ偵察や迅速なフォレンジック、パスワード監査で早期検知と対応を実現。
�DJoint Defense：台湾・日本・アジアで攻撃インテリジェンスを共有。
これらの柱により、検証、防御、教育、即応、協働を一体化した包括的なAIセキュリティ戦略を構築し、安全で強靭なイノベーションを推進します。

■スポンサー講演1

加島 伸悟 氏
NTTドコモビジネス株式会社 イノベーションセンター テクノロジー部門　担当部長 OsecTプロダクトオーナー

2004年にNTT研究所に入社。これまでに広域イーサネットサービスの技術開発・商用化、通信フロー監視技術（xFlow）の開発と国際標準化、NTTグループ全体のセキュリティガバナンス強化、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会のセキュリティ体制立ち上げを手がけてきた。
2019年からNTTドコモビジネス株式会社（旧NTTコミュニケーションズ株式会社）にて、脅威インテリジェンスやオフェンシブセキュリティなどサイバーセキュリティの技術開発を牽引。制御システム（OT）セキュリティの技術開発とサービス展開を推進し、自社製OT-IDS「OsecT」のプロダクトオーナーとして製品化を主導。セキュリティ・キャンプ協議会で理事を務めながら、日本ネットワークセキュリティ協会（JNSA）、IPA産業サイバーセキュリティセンターなどの活動を通じて、サイバーセキュリティの文化醸成や人材育成に貢献している。

講演タイトル：調整中
講演要旨：製造業や社会インフラなど、多様な分野で情報システムと制御システムが密接に連携する現代において、ホスト単位、ネットワーク単位のような従来の分断されたセキュリティ対策では対応が困難となっています。情報システムと制御システムを統合したネットワークデータの分析技術を活用したマクロなリスク管理とソフトウェア部品単位のミクロなリスク管理の取り組みを紹介します。

■スポンサー講演2

佐々木 弘志 氏
フォーティネットジャパン合同会社　OTビジネス開発部　部長

国内製造業において14年間制御システム機器の開発に携わった後、2012年にセキュリティ分野に転じ、現在は産業サイバーセキュリティの専門家として活動している。制御システム開発で培った知見を活かし、技術的対策にとどまらず、組織文化としてのセキュリティ浸透を目指す。そのため国内外での講演、執筆、啓発活動や産業界向けソリューション提案を行っている。
2021年よりフォーティネットジャパン合同会社 OTビジネス開発部 部長として、製造業・社会インフラ向けのセキュリティ戦略推進を担当。2022年からは名古屋工業大学 ものづくりDX研究所 客員准教授を務め、産学連携による教育・研究にも携わる。さらに2017年からIPA産業サイバーセキュリティセンター専門委員として人材育成に寄与し、経済産業省では2016年から2020年および2021年以降、情報セキュリティ対策専門官としてアドバイザーを務める。これらの活動を通じ産業サイバーセキュリティの文化醸成（ビジネス化）を目指している。
※参考サイト　　https://www.fortinet.com/jp

講演タイトル：経済産業省の工場セキュリティガイドラインを活用したOTセキュリティ対策の標準化とフォーティネットソリューション
講演要旨：経済産業省の工場セキュリティガイドラインを基盤に、チェックリストを活用したOTセキュリティの標準化手法を解説する。本発表では、国際的ガイドラインとの差異や、リソースが限られた企業にとっての利点を整理し、実践的な進め方を示す。さらにフォーティネットが提供するPeople・Process・Technologyにわたる包括的ソリューションを紹介し、JNSAを通じてASEAN諸国へ展開する取り組みを示す。

■パネルディスカッション　*アルファベット順〈姓〉にて記載

江�ｱ 浩 氏
AJCCA副会長、日本ネットワークセキュリティ協会（JNSA）会長

1985年と1987年に九州大学で学士号と修士号を取得後、1998年に東京大学で博士号を取得。1987年に東芝株式会社の研究開発センターに入社。1990年から1991年までアメリカのベルコアの応用研究所に在籍。1994年から1996年まで、アメリカのニューヨークにあるコロンビア大学の通信研究センター（CTR）に在籍しました。コロンビア大学に在籍中にMPLS（Multi-Protocol Label Switching）の起源となるCSRアーキテクチャをIETFとATM Forumに提唱。現在は、IPv6推進協議会の役員であり、JPNIC（Japan Network Information Center）の議長を務めています。2007年から2010年、2014年から2020年までISOC（Internet Society）のBoT（理事会）の役員を務め、WIDEプロジェクトのディレクターや日本データセンターコンシルのディレクター、グリーン大学東京プロジェクトのディレクター、デジタルエージェンシージャパンのシニアエキスパートとしても活動中。

Johnny Koh 氏
AJCCA副会長、インフォメーションセキュリティプロフェッショナル協会（AiSP）有識者委員会メンバー

シンガポールのみならずASEANにおける、サイバーセキュリティ戦略、リスクマネジメント、デジタルトランスフォーメーションの分野で20年以上の経験を持つ、経験豊富なリーダーであり、イノベーター。サイバー・レジリエンスの強化やデジタル環境の保護、次世代のサイバーセキュリティ人材の育成に深い情熱を持ち、企業、政府、業界のさまざまな分野で革新をすすめ、シンガポール政府担当のCSAとの官民連携のキーマン。現在は、Eclypsium社のアジア太平洋・日本地域担当シニアディレクター（テクニカルソリューション）として、技術戦略およびソリューションエンジニアリングを統括しています。また、サイバーセキュリティ・コミュニティの推進にも深く関与しており、業界内で影響力を有しサイバーセキュリティとビジネス戦略、技術革新の橋渡し役として活躍しており、次世代のプロフェッショナルを育てながら、世界中の企業や社会がより安全なデジタル未来を構築に尽力。
※参考サイト　https://www.aisp.sg/

スポンサー企業

■ ダイヤモンドスポンサー

NTTドコモビジネス株式会社

■ プラチナスポンサー

フォーティネットジャパン合同会社

■ ゴールドスポンサー

Eclypsium, Inc.

株式会社CyCraft Japan

■ シルバースポンサー

株式会社網屋	NTTテクノクロス株式会社	GMOサイバーセキュリティ byイエラエ株式会社
フューチャー株式会社	株式会社ラック

■ バナースポンサー

NTTアドバンステクノロジ株式会社

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協力団体

情報経営イノベーション専門職大学

サプライチェーン・サイバーセキュリティ・コンソーシアム （SC3）

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