★☆★JNSAメールマガジン 第192号 2020.8.7☆★☆

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今回のメールマガジンは株式会社ラック 三宅康夫様にご寄稿いただきました。

【連載リレーコラム】
九州サイバーセキュリティシンポジウム開催レポート

株式会社ラック 三宅 康夫


私は2019年1月にラックが福岡県北九州市にサイバーセキュリティ事業の技術拠点として設立した「ラックテクノセンター北九州」の立ち上げのため赴任いたしました。今回、縁をいただき、九州サイバーセキュリティシンポジウムの実行委員会の副委員長をさせていただいております。
本シンポジウムは、日本の3大温泉地セキュリティイベントにつづく、第4の温泉地シンポジウムを目指し「九州の事業者のためのシンポジウム」という理念を掲げ2018年より活動を開始しました。プレ開催を2019年3月22日に行い、2020年3月に第1回開催を行うべく鋭意準備をしておりましたが、新型コロナウイルスへの感染が拡大したことに伴い、残念ながらオンライン開催に踏み切ることになりました。

他のシンポジウムやセミナー等の中止・延期が次々に決まっていく中で、本シンポジウムも実行委員内で検討を重ね、一時は延期に話が傾いたこともありましたが、講師の方々にご用意いただいた最新のセキュリティ事情を「フレッシュなまま知って頂きたい」という想いから、不慣れではあってもオンライン配信にすることを決定しました。

ノウハウの少ない中、配信媒体にはZoomを使うミーティング形式での手探りでの開催となりました。昼の休憩時間に一度、全ての接続が切れ再接続いただくというトラブルはありましたが、他には大きなトラブルなく配信することができました。聴講者は瞬間最大で500名を超えており、のべ人数としてはそれ以上の人に見て頂いたことになり、想像以上の方々にお届けすることができ大成功といえます。
新型コロナウイルス感染拡大時の外出・出張制限の環境下で配信が行えたこと、予想以上に日本全国から閲覧頂けたことは大きな収穫でした。

一方、本シンポジウムをオンライン配信する上での課題も残りました。

・実際の配信は、講師の方々が東京に多くいらっしゃることもあり、オンライン開催の配信は東京の会場から行い、逆に九州在住の講演者の方には事前収録をお願いすることとなってしまいました。

・Zoomのミーティング形式では、聴講リンクを配布・公開されてしまい、実際の登録者以外からも参加可能となってしまいます。正確に参加者を把握したい場合や、登録者以外には配信したくない場合は注意が必要です。

・聴講者に録画されてしまうリスクがあります。録画機能を抑制したとして、実際に録画されるかどうかは聴講者に委ねないといけません。結果として、温泉シンポジウムの売りでもある「ここだけの話」をするテーブルセッションや車座に該当するセッションは中止とせざるを得ませんでした。

・雑談する事が難しい。みんなが同時並行でワイワイガヤガヤと話すことは難しく、人数を少なくしたとしても、どうしても誰かが話しているのを聞くスタイルになってしまいました。

次に、私の気付いたオンライン配信における留意点をあげます。

・対面の会話が必要でなければZoomのウェビナー機能を使う。ミーティング形式は接続者が多くなると重くなる傾向が強まります。配信側にも負荷がかかり、配信品質の低下にも繋がります。対して、ウェビナー機能は同時接続10,000人が可能であり、実際に1,000人以上が参加しているウェビナーでも安定した配信ができていた。

・質問を受け付けたい場合はチャット機能等で受け付ける。多人数が視聴する場合は、質問内容を精査する人を専任でつける。

・雰囲気作りのため、講演者が背後で音楽を鳴らしていると、その人だけ音声が途切れ途切れになるなど配信不良になる場合がある。

・講演者が複数の場所から接続する場合、音量を合わせる必要がある。

・講演者側の回線品質が配信品質に影響するため、場合によっては、回線品質の良い環境に来て頂いたり、回線を用意する。

・マイクはPC内蔵のものより、高品質な外部マイクを利用する。

・上記の様な問題が出ないか、数日前から綿密な配信リハーサルを行う。

オンライン開催は、距離の壁を越えられるという大きなメリットがあります。
これまでは、セミナーを聴講するために移動が必要で、半日〜1日を潰してしまうことになるため参加を見送るケースがありましたが、オンラインになったことでセミナーの時間だけ空ければ良くなり、時間を効率的に使え、とても便利になりました。
反対に現地開催では、「ここだけの話」や車座の様な雑談、聴講者同士の交流など、オンライン配信では解決出来ない部分に強みを見出し、高付加価値化することができます。さらに、これらを組み合わせたハイブリッド開催にして、いいとこ取りをする方法もあるかと思います。

実際に対面で会話する情報量は、オンラインでは実現できない様に感じます。
何より、九州各地の美味しい名産をご飲食頂けない事を大変心苦しく思っています。一日でも早く終息し、現地でお会いできる日を楽しみにしております。

 

#連載リレーコラム、ここまで

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