★☆★JNSAメールマガジン 第173号 2019.10.18 ☆★☆

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今回のメールマガジンはアマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社の松本照吾氏にご寄稿いただきました。

【連載リレーコラム】
AWSとクラウドセキュリティ

アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社
セキュリティアシュアランス本部 本部長 松本照吾

re:Inforce-AWSのセキュリティイベントと”Builder"-

2019年7月、アメリカのボストンでAmazon Web Services(AWS)のはじめてのセキュリティオンリーイベントであるre:Inforceが開催されました。このイベントは、”Builderのためのイベント”として、AWSのセキュリティをともに学ぶイベントとして位置づけられました。

なお、”Builder”という言葉に馴染みのない方も多いかと思います。
従来であればエンジニア、ユーザー部門であったり、開発、運用といった形で組織のITにかかわる役割を区分していました。一方で、クラウドが浸透する中では、従来のユーザー部門がクラウドの価値を理解し、自分たちのアイデアをより早く、容易にサービスとして実現(Build)していくという動きが多くみられます。その中では十分なセキュリティの知識や経験が不足している、またクラウドを活かした設計の知識が不足しているためにセキュリティ面からみてリスクの高いサービスやクラウドセキュリティの価値を十分に活かすことができないサービスがつくられてしまうケースもありました。
こうしたことから、また、セキュリティは決して”エンジニア”だけのものではなくすべてのサービスに係る関係者がとりくむべきものであることも踏まえ、”Builder”に対してセキュリティのメッセージを発信した機会となりました。

クラウドならではセキュリティの実践と課題

AWSをはじめとしたクラウドがセキュリティを含むITの開発・運用にもたらした恩恵は様々あります。
そのうちの一つは、サーバレスと呼ばれるイベント単位でプログラムコードを実行できるサービスを使うことによるインフラ管理からの解放と発見的な統制の実現がより容易になったことが挙げられます。
例えば、ログを取得して、その中から危険な兆候を発見した時にアラートを発報する、さらには対抗策を自動的に発動する設計とすることは、容易かつ低コストで実現できるようになりました。ただし、自動化を実現するためには、運用に対する深い理解が必要ですし、また、誤検知などを見越したクラウドネイティブな設計を実現する必要もあります。

”Well-Architected”にみるAWSのセキュリティ

AWSでは、セキュリティ、運用やコスト管理などの五本の柱を中心にして、クラウド活用上のベストプラクティスを”Well-Architected"フレームワークという形でまとめています。
本フレームワーク全体をつらぬく考え方は”原則中心”という考え方で、各フレームワークは抽象度の高い”質問”(各柱ごとに10問程度)で構成されています。
例えばセキュリティの柱では”インシデントにどのように備えていますか””データをどのように分類していますか”といった12の質問で構成されています。従来、セキュリティ実装をチェックすることを考えた場合、場合によっては数百問の細かい質問をチェックシートで評価していくケース(”コントロール中心”のアプローチ)が一般的であると思いますので、そういったものを期待されて本フレームワークを参照すると、少し面くらってしまうかもしれません。
しかし、新しい技術を取り入れ、実践していく中では、その目的に即した説明責任がともないます。また、技術の変化がはげしい分野においては、大量の管理策をならべたとしても、対策の形骸化や陳腐化が頻発し、チェックシートの評価項目が新しいセキュリティ技術や設計の採用を妨げることにもつながります。
こうした中で”Builder”が適切な説明責任を果たしていくことができるよう、イベントやセミナーなどを通じて、お客様やパートナー様が成長する機会が必要であると考えられます。

”責任共有”がセキュリティにもたらすもの

AWSでは、お客様(パートナー様)とAWSが責任を分担する”責任共有モデル”によって、実現すべきセキュリティを具現化する考え方に立っています。
これは単に責任範囲を”分ける”ことを意味しているわけではありません。
例えば、インフラの管理(可用性管理やOSへのアップデート適用)等をAWSに任せ、組織のセキュリティリソースを重要なデータへのアクセスコントロールや発見的な統制の組み込みなど、より重要かつ高度なセキュリティ管理に集中させることが出来れば、お客様はより高いレベルのセキュリティを実装できます。
インフラ管理に対する説明責任を”自分たちのもの”として重きを置きたいのであれば、比較的オンプレミスに近い形での設計および運用を実現することもできます。お客様が”選択”できること、また、それを助けるための様々な手段(教育機会、フレームワークや実際のお客様の事例など)を継続的に提供することは、お客さまが自立したセキュリティをAWS上に設計・運用するための大切な要素になると考えます。

 

#連載リレーコラム、ここまで

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JNSAメールマガジン 第173号
発信日:2019年10月18日
発 行:JNSA事務局 jnsa-mail
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