クレデンシャルの歴史

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4. クレデンシャルってなに?

さて、そもそもクレデンシャルとはなんなのでしょうか?Wikipedia[4]を参照すると 主なものとして、Academic Diploma (卒業証書)やAcademic Degree(学位)などが例としてあげられていて、「第三者により個人に付与され、技能や能力、権威を証明するもの」とされています。またクレデンシャルのタイプやドキュメントとして、様々な領域が上げられています。学位、情報システム、暗号、医学などそれぞれの領域でそれぞれの使われ方をしています。

新型コロナウイルスの感染の拡大に伴いCovid Credentials initiative[5]というコミュニティも立ち上げられています。こちらのコミュニティはデジタルアイデンティティを活用して新型ウイルスの感染拡大を防ぐ活動をしていくために立ち上げられています。ここでのCredentialは感染したという事実を証明するもの(immunity passport:免疫パスポート)を指しているのだと思います。

参考:Covid Credentials initiative : Home https://www.covidcreds.com/

この文書では、現在のクレデンシャルに関しては、前述の課題からもご推察の通り情報システムの話になりますが、過去や未来に関してはあまり区別なく、あるいは区別もせずに記載していきます。

なお、情報システムの観点でいうと、ISO 24760 においては、「Representation of an Identity for use in authentication」として、「認証で利用するためのアイデンティティの表現」のこととされています。

違う視点でいうと、デジタルクレデンシャル・アナログクレデンシャルという分け方もあるでしょう。(アナログクレデンシャルということばは聞いたことないですが。)

デジタルクレデンシャルにおいても、デジタライズド(Digitalized)とデジタルクレデンシャルとさらに分類することができます。デジタライズドはもともとアナログで表現されていたけれども、デジタル化されたもので名前や住所などがデジタライズドクレデンシャルとなるでしょう。また、デジタルクレデンシャルは元々デジタルで表現されているものになりますので、パスワードやIDなどが該当します。 

元々アナログなものをデジタル化するデジタライズドにおいては様々な問題も発生します。例えば外字や住所の省略、姓名に使う文字種の多様さなどはデジタル情報として扱う上での課題になるでしょう。生体情報(指紋や顔写真)などの情報のデジタル化に関してはここが各企業や技術のほかとの差別化になるでしょう。プライバシーを保護しながらデータとして活用していく優れた技術は他に比べて優位になり広く使われていくでしょう。

さて、この文書でのクレデンシャルの定義ですが、あえて定義はしないで記載していきます。繰り返しになりますが、読みやすさ、わかりやすさのためには定義しないほうがきっと面白いでしょう。


[4] :
Credential - Wikipedia https://en.wikipedia.org/wiki/Credential
[5] :
Covid Credentials initiative : Home https://www.covidcreds.com/

 
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