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業種別の平均点は、上位2業種は受講回数が2桁と少ないので実質的な1位は「情報サービス(ソフトウェア、情報処理)」だと思われます。
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平均点が高く、受講数も多い「情報サービス(ソフトウェア、情報処理)」と「教育、学習支援業」の点数分布をグラフにしました。「情報サービス(ソフトウェア、情報処理)」については、大きな差異はありませんが、「教育、学習支援業」については、2009年7月7日以前に受講したグラフとそれ以降に受講したグラフに大きな差異があります。
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図7と図8は、平均点が高くなかった「製造業」と「卸売・小売業」の点数分布です。全業種の分布より低い点数に多く分布しているのがわかります。
業種別の集計・分析結果から単純に読み取れるのは、平均点の分布は73点から88点の間で推移していることになります。この幅を大きいとみるか小さいとみるかで感想は変わると思いますが、他の分析でも同様の分布がみられますので、業種別だけの特異現象ではないようです。
集計を開始する前の事前予想では第一次産業である農業、林業、漁業の点数が低く、第三次産業である小売業やサービス業の点数が高く、第二次産業である製造業、建設業、電気・ガス業が中間と考えていました。だいだいの傾向として捉えるとおおむね合っていますが、ばらつきがあるのも事実です。
テスト形式がwebでブラウザを使うので、その業種の中でもITにある程度詳しい必要はあると思います。そのためこの結果はその業種でもITに詳しい方の回答と考えるべきかもしれません。
ざっと眺めて、特に怖いのは、お客様のデータを直接扱う「飲食店、宿泊業」の点数が低かったことです。テストの点数・イコール・情報リテラシーに直結しないとは思いますが、気にかかるところです。
業種別点数分布で気にかかるのは、教育、学習支援業で~2010.7.14と~2009.7.7に大きな差異が見られることです。一般的に考えると最初はセキュリティに詳しい方が受験して、その後、テストのことをひろめていただいて、割と詳しくない方が受験して、平均点がかなり下がったのではと思われます。とはいえ~2009.7.7の方が~2010.7.14より10倍多いことを考えると謎です。
平均点が高くなかった、製造業と卸売・小売業について考えると、平均点を押し下げているのは高得点者が存在しないことです。平均点が高い、情報サービスは高得点者の割合が高く、それらが平均点を押し上げています。このへんは高得点者がランキングに乗ることで興味を覚え、再受験者を多く取り込んだ結果と思われます。
(キヤノンITソリューションズ株式会社 石黒 富士雄)