「受講回数」で見た理解度セルフチェック

[2011.3.31]

1万人当り3.62回・・打率にしたらイチロー並み???

大健闘の広島県。 頑張って欲しい医師・看護師・弁護士・会計士!!

理解度チェックへのトライは、このサービスを開始してから約2年半の間に、4万回を超えました。いろいろな方面でご活用いただけたと思っています。

さて、この4万回、どんな人が積み上げてくれたのでしょうか。無論、受講に際して固有名詞は頂戴していないのですが、分析のためにいろいろ属性をお聞きしています。そのいくつかの切り口で切って見てみましょう。あなたの住む所、あなたの職種や業種、年代によって、どんな特徴が浮かび上がってくるのでしょうか。

まずは都道府県別受講回数。表1がその回数分布。グラフで見ると図1のようになります。

表1 : 都道府県別受講回数
表1:都道府県別受講回数

図1 : 都道府県別受講回数
図1 : 都道府県別受講回数

やはり人口の多い県、事業所の多いところが受講回数も多い感じですね。では、人口の重み付けで見てみたらどうでしょう。4万回の集計期間、2008年2月から2010年7月までのだいたい真ん中、2009年10月時点の都道府県別の15歳以上の人口で割ってみると、表2のような結果になりました。2回以上の都道府県をグラフで見ると図2のような感じです。

表2 : 人口1万人当り受講回数
表2:人口1万人当り受講回数
図2 : 人口1万人当り受講回数(2回以上の都道府県)
図2 : 人口1万人当り受講回数(2回以上の都道府県)

なんと、広島県がダントツの一位ですね!! 敬意、敬意。そして続く東京都も10回以上と、3位の大阪府以下を引き離しています。ところで、北海道と宮城県以外は全部関東から西が占めてますね。鹿児島、福岡といった九州勢も顔を出して、どうやら西高東低の傾向。関東の1都3県、関西の中心となる3府県は産業集積から妥当な線としても、広島県のダントツぶりはすごいですね。それに福井県、北海道、鹿児島県、健闘が目立ちました。盛んな挑戦、ありがとうございました。

次に産業別を見てみましょう。業種別受講回数分布は表3のようになりました。

表3 : 業種別受講回数
表3:業種別受講回数

残念ながら、この業種区分での就業者数の統計が得られなかったので、人数あたりの受講回数ランキングは作ることができませんでした。ざっくり見て、製造業や卸売・小売業は就業者数も多いので、受講回数も多くなっているな、という感じです。情報サービス業はさすが商売がら、情報セキュリティを大事にする意識が高いのでしょうね。全受講件数の4分の1以上、受講してもらっています。ありがとうございます。

他に健闘が目立つのが、教育・学習支援業と、学校・研究所ですね。やはり人に教える立場の方が熱心に受講していただいているのは心強いことです。農林漁業などは、あまり「情報」への依存は高くないのかもしれませんが、ビジネスをする上で、情報の価値はますます高まるし、複雑化するネットの脅威から、残念ながら情報漏洩リスクも高まる傾向にあるので、皆さん気をつけて、リテラシの向上に励んでいただきたいところですね。

ついでに、といっては恐縮ですが、職種別にも見ておきましょう。こんな感じ(表4)です。

営業さんが頑張っていますね。絶対数が多いのかもしれませんが、お客さんと接する第一線で、大事な情報を預ったり扱ったりする機会も多い営業の方が、ちゃんと情報セキュリティに注意を払っているというのは、心強いところです。そしてコンピュータ関連の職種が、やはり上位に来ていることは、当然とは言え、少し安心させられますね。管理職さんがしっかりしないといけないので、次に管理職が入っているというのも、健全な姿だと思います。

表4 : 職種別受講回数
表4:職種別受講回数

それから、学生、教師といったところが上位に入りました。実は教育現場、特に大学はITなしには授業も学生管理も成り立たないくらい、ITの活用が進んでいるらしいですが、学生さんはほとんどセキュリティなんて関心がない、というのが実情らしいです。これは、時々お聞きする学校関係者の話です。その対策に、この理解度チェックサイトが活用されているなら、うれしいことですね。また学生はいずれ社会に出て経済を支える存在になっていくので、その前から情報セキュリティに関心を持ってくれれば、それだけ企業の情報セキュリティも高まるし、とてもいいことだと思います。

逆に下位のほうに注目してみましょう。「医師・看護師・その他医療系専門職」「弁護士・会計士」の回数が極端に少ないですね。このサイトの存在を知る機会が少ないのかもしれないけれど、情報セキュリティへの関心が低いせいもあるのではないかと心配です。特にこれらの人たちは、私たち個人のプライバシーに関わる情報に直接接する人たちですから、情報の安全な取扱いや保管には、高い意識を持つ必要がある職業です。情報セキュリティへの目覚めと研鑽に期待したいところです。

最後に、年齢層との関係を見てみましょう。表5と図3に、年代別受講回数を示しました。

表5 : 年代別受講回数
表5:年代別受講回数
図3 : 年代別受講回数
図3:年代別受講回数

30代の方が、全体の3分の1近くを占めてますね。これに20代、40代が続きます。やはり、ビジネスの第一線で日々情報に接する機会も多い層が、情報セキュリティへの関心も強いという感じがします。

では、人口との比較ではどうでしょうか。都道府県別と同じく2009年10月時点の15歳以上の年代別人口で割ってグラフで見ると図4のようになります。

図4 : 年代別人口1万人当りの受講回数
図4:年代別人口1万人当りの受講回数

ここでは20代が30代を逆転して1位になりましたね。0.8回の差で30代が、更に少し差が開いて40代が続きます。10代も3.9回と、全体平均以上の回数で健闘しています。頼もしいですね。

そして、全体平均で3.62回という数字にも注目したいと思います。筆がすべって見出しには「打率にしたらイチロー並み???」と書いてしまいましたが・・・1万人当りで4回に近い件数、受講してもらっています。2,762人に1人はチャレンジしてくれた(リピータもいるので、実数としては3,000人に1人ぐらいかもしれませんが)ということは、すごい数字だと思うのです。15歳以上の日本に住む全ての人の、3000人に1人は情報セキュリティ理解度チェックトライ経験者だなんて。

でも、これを開発して運営している私たちの立場から言えば、これが早く1,000人に1人、500人に1人、ぐらいの率に高まって行って欲しいですね。問題のアップデートも含めて、がんばって行きたいと思います。皆さんもどんどんチャレンジしてくださいね。
(株式会社情報経済研究所 勝見 勉)