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共催者インタビュー第9回(2007.4)
株式会社 富山県総合情報センター(富山県)

今回は、富山県における「インターネット安全教室」実施の経緯と取り組みについて、株式会社富山県総合情報センターの事業部 事業次長西村仁志氏にお話を伺いました。富山県総合情報センターは、富山県と関係市町、民間企業などが参加する第三セクター方式で、富山地域集積促進計画の中核的推進機関として活動を行っています。インターネット安全教室は一度の開催で終わりにするのではなく、継続して開催することの重要性を強調され、「そのためにも、日頃から地域の活動で多くの方と接している人をリーダーとして育成し、さらにネットワークへと発展させたいですね」と意欲を語ってくださいました。
インターネット安全教室がフェアの目玉の一つに
Q:インターネット安全教室の実施の経緯について教えてください。
 インターネット安全教室を知ったきっかけは、2005年の春頃にJNSAさんから富山県での共催団体を探しているのですが・・、というお問い合わせをいただいたことからでした。ちょうどその頃、当センターでは、"情報化社会がもたらす安心・安全・豊かさ・便利さを体験しよう"と題した「eライフフェア2005」を企画していた最中で、それならばフェアで実施するイベントの一つにしてはどうか、ということになりました。フェアは障害者の支援も含めて、幅広い層の方々の参加を目的としていましたから、その呼び水になってくれたらという期待もありました。

 2005年10月に開催したeライフフェア2005では、インターネット安全教室のほか、IT機器の展示会、セミナー、パネルディスカッション、CGコンテストの表彰式といった各種のイベントを実施しました。会場はセンター4階の100名以上を収容できる会議室を使用したのですが、各イベントの中でもインターネット安全教室が一番の集客があり、会場がほぼ満員になりました。フェア参加者の多くが参加したということもありますが、年齢層もかなり幅広く、男女比もほぼ半々でした。
地域のリーダーを育て、活動の裾野を広げる取り組み
Q:安全教室を開催されて、手応えはいかがでしたか?
 初回の開催ということで、正直なところ私達も手探りの感は拭えませんでした。ただ、これを期にインターネット安全教室ほど大掛かりではないものの、セキュリティに関係するセミナーや研修にセンターの施設を活用したいという問い合わせが増えましたから、波及効果を生んだのではないかという気がします。2006年10月には、JNSAさんの「インターネット安全教室まつり」に合わせて第2回目の安全教室を開催しました。2回目の会場は、センターのホールではなく富山県ITセンターの情報工房施設を使用したことから、日頃からその施設を利用することが多い高齢者の方が中心でしたが、中には、昨年に参加して興味を持ったので今年も参加しました、という方も複数いたようです。

 富山県の場合、参加者は全般に高齢者が多いこともあり、安全教室に一度参加しただけでセキュ リティに対する認識を十分に高めてもらえるとは思えません。一方でボランティア活動に参加している方々も多いので、むしろそうした方々を安全教室の活動に巻き込んで、高齢者の方々の身近な相談役になってもらいたいのです。センターの施設を使った活動だけでは、どうしても地理的に参加できる方が限られてしまいますし、私達が各地域に出掛けてセミナーを行っても、やはり一度だけでは根付きません。その意味からも、まずは日頃から地域の活動で多くの方と接している人をリーダーとして育成し、さらにネットワークへと発展させることを目指したいですね。そうして初めて活動の裾野が広がると思います。すでに県内で大きく3つの地域の団体と連携して取り組みを進めています。県内では富山市に次ぐ規模の高岡市で活動している"ITネットワークアシストたかおか(NAT)"さんには、私達と共に昨年の安全教室講師セミナーに参加してもらいました。さらに2007年1月には、私達が独自に主催して地域の講師となっていただく方に向けた育成セミナーを実施したところ、4つの団体から参加がありました。私達もお手伝いしたのですが、すでにこのセミナーに参加された方が講師となり、地域での小規模なセミナーを開催するなど、具体的な成果が表れています。
来年度の開催について
Q:来年度の安全教室の開催予定はありますか?
 すでに5月と7月には石川県との県境にある南砺市での開催が決定しています。これは南砺市の生涯学習の一環として実施するもので、講師には安全教室講師セミナーに参加してもらったNATさんのメンバーの方に加わってもらうことになっています。こうして富山市だけでなく、地域へと活動を広げていくことができる意義は大きいと思います。また、これまでの開催は平日の昼間が中心でしたが、南砺市の開催は夜の7時半からと聞いていますし、これまで関心がありながらも時間的な制約で参加できなかった方々の参加を期待しています。
富山県のITの未来を育む拠点
Q:富山県総合情報センターさんの活動内容について教えてください
 富山県総合情報センターは、国の頭脳立地法に基づいて平成元年3月に富山地域集積促進計画の中核的推進機関として設立されました。富山県、独立行政法人中小企業基盤整備機構、関係市町、民間企業が出資する第三セクターです。人材育成、研究開発、情報交流、IT関連産業振興支援という4つの事業を柱としており、富山県のITの未来を育む拠点を自負しています。センターには独立行政法人情報通信研究機構(NICT)が平成16年4月から運用を開始した超高速の高機能研究開発テストベッド・ネットワーク「JGN2」のアクセスポイントが設置されおり、次世代高度ネットワーク社会へつながる研究開発の促進に貢献しています。また、人材育成事業の一つである富山電脳塾は地域の情報化を担う人材育成を目標としており、インターネット安全教室もその中心的な役割を担っています。
名称: 株式会社 富山県総合情報センター
URL: http://www.toyama-tic.co.jp/
住所: 富山県富山市高田527
TEL: 076-432-0224(代表)
E-mail:
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