< もどる トップへ
共催者インタビュー第3回(2006.8)
NPOなら情報セキュリティ総合研究所 奈良県社会教育センター(奈良)
今回は、7月27日に奈良県社会教育センターで開催された「インターネット安全教室」を訪問し、奈良県内における安全教室の開催経緯についてと、今回の開催にあたってのお話を、NPOなら情報セキュリティ総合研究所と奈良県社会教育センターの方々に伺いました。

 NPOなら情報セキュリティ総合研究所は、前身である「なら情報セキュリティ研究会」当時に、「インターネット安全教室」を全国で最初に開催した団体であり、その後も継続的にセキュリティの普及活動に関わっていらっしゃいます。今回奈良県社会教育センターで開催された「インターネット安全教室」は、NPOなら情報セキュリティ総合研究所(以下NARIIS)が講師を引き受け、運営と会場提供を社会教育センターが行うという2者共催で開催されました。NARIISの今までの「インターネット安全教室」との関わりと、今後の奈良県内での展開について、語っていただきました。
NPOなら情報セキュリティ総合研究所(NARIIS)の発足と活動内容

 2003年度に、奈良県内で情報セキュリティのNPOを立ち上げようという提案があり、まずは任意団体の研究会を発足し、各種セミナーや普及啓発活動などを行うこととなりました。これがNARIISの前身の「なら情報セキュリティ研究会」であります。この時の中心メンバーは、帝塚山大学の高瀬先生、日置先生、奈良県中小企業支援センターの高橋先生、大阪成蹊大学の工藤先生ら現在のNARIISでも活動されている諸先生方であり、発足の記念事業として2003年度に奈良県帝塚山大学にて全国第一番に「インターネット安全教室」を開催することとなりました。

 2002年の12月に法人格を取得し任意団体からNPOのNARIISとなります。NARIISの活動としては、「インターネット安全教室」を始めとする普及啓発の他に、セキュリティポリシーの策定なども手がけてもいます、奈良県下の市町村の情報セキュリティポリシーの策定に関しては、県との協働事業に採択され、20市町村での策定を実施し、他には職員研修も3市町村ほどで実施しました。さらにその発展として、今年度はセキュリティポリシーの実施手順書の策定や職員研修の実施、奈良県市町村の幹部研修会での講演などの依頼を受けており、奈良県と密接な関係を持ち、県全体の情報セキュリティ政策へ貢献している団体であることがうかがえます。
NARIISと「インターネット安全教室」

 「インターネット安全教室」開催のきっかけは、帝塚山大学の高瀬先生がJNSA発行の企業向けの普及啓発CD-ROMを購入したことでした。その後、JNSAが「インターネット安全教室」を経済産業省の事業として実施することとなり、共催者を募集したところ、その募集案内をご覧になった高瀬先生が一番に申し込みをされ、奈良県で第一回開催の運びとなりました。「インターネット安全教室」の事業は、2003年度から2005年度までは任意団体の研究会の事業として実施されてきましたが、今年度からはNPOであるNARIISの事業へと移行し、任意団体の研究会の活動は事実上終了となるそうです。研究会の頃には「インターネット安全教室」以外にも一般向けのセミナーを実施していましたが、NPOになってからは人材の不足もあり、県との協働事業に重点を置かざるを得ないそうです。そのような状況下で「インターネット安全教室」はNARIISにとって数少ない一般市民向けの事業の一つであると言えるでしょう。
社会教育センターでの開催について
 奈良県社会教育センターは、奈良県教育委員会の管轄の施設であり、奈良県民の自主的な学習活動の促進、社会教育の振興を行うことを目的として、各種調査研究や多岐にわたる研修・講座を100以上開催しています。社会人向けの生涯学習の一環としてパソコン研修を行っていましたが、昨今の情勢からセキュリティ関係の講座を検討されていたところ、「インターネット安全教室」の開催を知った担当の方がJNSAに開催について打診されました。それを受けたJNSAでは、奈良県で当初から安全教室を開催されているNARIISへ協力を依頼したところ快く受けていただけることになりました。その結果、NARIISが講師を担当、会場提供と運営を社会教育センターが担当するということで共同開催の運びとなりました。

 社会教育センターでの開催にあたり、広報活動は、既存の講座参加者へのチラシ配布、県政だよりへの掲載だけでしたが、それでも120名ほどの事前登録があり、当日にはスタッフも合わせて140名もの大勢の方に参加いただき、一般への普及啓発の必要性と関心の高さをうかがうことができます。集客活動の中では、掲載を予定していた県政だよりの掲載紙面に限りがあり掲載に苦労されたり、また、年に一度の広報誌(1万部)への日程確定の連絡が間に合わず、日付無しでの掲載となってしまった等の苦労があったようですが、これらの告知が効果をなし、通常講座に参加されている方以外にも大勢の方に参加していただくことができました。
今後の奈良県での「インターネット安全教室」への取り組みについて

 2005年度は、帝塚山大学、奈良産業大学と開催の場を2カ所に拡大して開催されましたが、今年度は奈良産業大学の代わりに社会教育センターでの開催となりました。奈良県内で、北部の帝塚山大学、中南部の社会教育センターとうまく地域が分散されているので、ぜひ来年度も同様に開催をしていただきたいと思います。

 今回の開催では、休憩時間と終了後に「質問コーナー」や近畿管区警察局で作成された個人のパスワードの強度を測定できる「パスワード評価チェッカー」を試すことができたりと、独自のアイデアがうまく盛り込まれており、参加者も大勢興味を引かれている様子でした。奈良県警察本部の方も、県内の中学・高校を回ってインターネットや携帯電話の危険性について4月から20校ほど回って話をしているそうで、セキュリティ普及啓発に力を入れている県であると言うことができるでしょう。

 インターネット、セキュリティというニーズがある限り、今後もぜひ「インターネット安全教室」を継続してさらなる普及活動に努めていただければ幸いです。
名称: NPOなら情報セキュリティ総合研究所
URL: http://www.nariis.or.jp/
E-mail:
名称: 奈良県社会教育センター
URL: http://www.llis.pref.nara.jp/
住所: 奈良県葛城市寺口
TEL: 0745-69-6911
E-mail:
トップページへ