★☆★JNSAメールマガジン 第34号 2014.5.2.☆★☆

こんにちは
JNSAメールマガジン 第34号 をお届けします。

ゴールデンウィーク後半はお天気が良さそうでもう初夏の日差しです。今日1日働いたら明日からお休みの方が多いことと思いますが、ここ数日セキュリティ業界ではいろいろなぜい弱性に関連した事象が多く、お休み返上の方も多いかもしれませんね。
さて、今回のコラムはリコージャパン株式会社 コンサルティング推進室エグゼクティブ コンサルタント 広口正之様から「シンギュラリティ」について寄稿いただきました。広口様のコラムは2回に分けて連載します。「シンギュラリティ」聞き慣れない言葉ですが、JNSAではWGも発足していますのでご興味ある方はぜひご参加下さい!


【連載リレーコラム】
「シンギュラリティは、本当に到来するのか(前編)」
(リコージャパン株式会社 コンサルティング推進室 エグゼクティブ コンサルタント 広口 正之)
■人類200万年の進化を超えるのか

シンギュラリティ、技術的特異点、または、2045年問題といわれる話題があります。6月に公開される、ジョニーデップ主演の映画「トランセンデンス」のテーマにもなっています。

一言でいうと、コンピュータが本当に「考える」ようになる、ということです。すでに、コンピュータが、将棋のプロ棋士に勝つようになってきましたが、それはプログラムで「考えているかのように」見せているだけで、本当に「考えて」いるわけではありません。

コンピュータが、ひとたび、人類200万年の進化の賜物である「脳」と同等になれば、さらに進化を続け、人類の知性を超えることも容易だろうと考えられています。

■米国、欧州は本気になっている

マトリックスやターミネーターなどの映画もありましたので、「どうせ、SFでしょ」と思う方もいらっしゃるかもしれません。ところが、極めて近い将来に実現するだろうと言われているのです。

すでに米国では、シンギュラリティを専門に研究する大学が設立されています。また、米国国防総省が助成するシナプス・プロジェクトでは、人間の脳と同じ容積、消費電力、ニューロン(神経細胞)数を持つコンピュータを開発中です。

欧州では、準備段階のプロジェクトを完了し、10年間に1700億円の予算を投じて、人間の脳をシミュレートする、ヒューマン・ブレイン・プロジェクトに取り組んでいます。

■ニューロコンピュータの復活

シンギュラリティの中核的な技術は、人間の脳の神経細胞の働きを模倣する、ニューロコンピュータです。1980年代の人工知能ブームで脚光を浴びたあと、しばらく低迷していましたが、「ディープラーニング」などの手法が登場してきたので、復活しつつあります。

米グーグル社の研究所では、YouTube から無作為に選んだ、1000万枚の画像をニューロコンピュータに見せた結果、あらかじめ教えていないにもかかわらず、「猫」を認識するようになりました。

■脳がリアルタイムで観測できる

脳のニューロンのひとつひとつについて、その興奮状態や、興奮が次のニューロンに伝達されるようすが、リアルタイムで観測できるようになってきました。

また、脳の「リバースエンジニアリング」も進んできており、視覚や聴覚などのセンサからの入力が、どのように脳に取り込まれ、感情や記憶、意志などと相互作用をするのかなどが解明されつつあります。

脳の働きが解明できれば、脳を模倣するコンピュータを構築でき、コンピュータが人間と同じような仕組みで「考える」ようになる、というわけです。

■2045年に何が起こるのか

2045年まで何も起こらないわけではありません。人間の脳と同等のコンピュータができるのは、数年以内といわれています。2030年までには、数十万円も出せば、人間の脳の数千倍に相当するコンピュータが買えるようになるでしょう。

では、2045年には何が起こるのでしょうか。2045年には、コンピュータが人類を超えた進化を始めると考えられています。このとき、すべての人類の知性を合わせたものよりも、コンピュータの知性のほうが10億倍も強力になっていることでしょう。

さて、シンギュラリティが本当に到来するとしたら、私たちはどうすればいいのでしょうか。これについては、次回をお楽しみに。

(次回に続きます)

#連載リレーコラム、ここまで
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