★☆★JNSAメールマガジン 第19号 2013.9.27.☆★☆
セキュリティ啓発ワーキンググループ(WG)の松本照吾と申します。
日頃は、企業向けのセキュリティ監査やコンサルティングに従事していますが、
ご縁がありまして当WGのリーダーをつとめています。
さて、当WGでは、インターネット安全教室を通じて企業向けではなく、広く一般にむけた啓発活動や地域のNPOの皆様を支援する活動を行っています。
インターネット安全教室は、JNSAの活動として、年間100回を超える開催を日本全国で行っています。活動の中心は地域のNPOの皆様で、小中学校やシニア向けの市民講座等、様々な機会を通じて安全教室を開催していただいております。今年度のWG活動としては、9月のはじめにインターネット安全教室のサポート活動としてNPOの皆様向けの講師トレーニングを開催しました。
今回のコラムでは、当WGの活動から気が付いたことをいくつかシェアすることで、皆様に何か材料となるものがあればと考えつつ、筆を進めたいと思います。
インターネット安全教室とは経済産業省とJNSA、そして地域のNPOの皆様が連携してセキュリティの啓発を行う活動です。JNSAとしてはDVD教材や講師用のコンテンツの提供、初回の開催等、講師を行うことが難しい開催への講師派遣を行っています。
特に今年は、親子のスマートフォン利用に対する啓発資料としてスマホ8ヶ条リーフレットや、ソーシャルメディアの啓発に対する講師用資料を作成し、提供していく予定です。
安全教室の主な対象である小中学生は非常に“自由”にネットの世界を利用しています。物心ついたころには、ネットが当たり前にあり、子守唄やテレビ代わりにYouTubeを見た世代が育っています。
日本各地で様々な“炎上”事件が起きていますが、日記のようにネット上に様々な書き込みを行い、違法ダウンロードのやり方も友達のネットワークの中で伝わっていきます。ほんの少しの知識があれば、“やろうと思えば出来てしまう”という誘惑の多い環境の中で、彼らは生活しています。
一方で、“自分の書き込み”や“不注意”が、将来の自分にどんな影響を与えてしまうかを深く考える機会には乏しく、様々な炎上騒ぎも“ネットの向こうの他人事”であったりします。
ネット発信のイノベーションに関し、米国の企業家 Derek Sivers氏は、TEDのプレゼンテーション「How to start a movement」※の中で次のように述べています。
前回の当コラムでJNSA理事の西尾様が書いていたような「リスクコミュニケーション」の重要性は、安全教室の現場でも高まっています。
教室の中でモラルやルールを押し付けて“ダメなことはダメです”と伝えても、彼らの“ノリ”や“イキオイ”の中では無力であったりします。
それよりも、“自分の書き込みが特定されたら”どうなるかをストーリーとして想像させることで、“これはやりすぎだな”と彼ら自身に気付かせ、心のブレーキをかけるきっかけをつくることが、最近の安全教室で講師の皆様が苦心されている点です。
今回の講師トレーニングでは、“お持ち帰り”という全体テーマで、講義を設計してみました。参加した皆様が持ち帰ることのできる“小ネタ”や、ゲームを通じて競争させることで学習効果を高める(勝ったチームに商品プレゼント)といった試みを行ってみました。“考える機会”と“具体的な行動や約束”を参加者に持ち帰ってもらうことで、講義の内容を思い出すきっかけを提供したい、という狙いです。
企業におけるセキュリティ教育でも、単に“ルール”を伝えるだけではなく、“ジブンゴト”として考える、また、“内容をリマインドしてもらう”機会を与えることで、効果を高めることができるのではないでしょうか。
もし、本コラムを読んで頂いて、インターネット安全教室の活動にご興味を頂いた方がいらっしゃいましたら、お気軽にご連絡いただければ幸いです。
☆コラムに関するご意見、お問い合わせ等はJNSA事務局までお願いします。
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JNSAメールマガジン 第19号
発信日:2013年9月27日
発行: JNSA事務局
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