2002年活動報告
1.技術部会(部会長:平田敬/フォーバルクリエーティブ)
各種研究・調査、セキュリティガイドラインの作成、相互接続性実験の実施など、技術的な諸問題の解決や会員の技術力向上のための活動を行なう。成果物は、広く一般に公開している。 本年度は、主に公衆無線LANサービスがワークスペースとして利用できるかを中心に調査を行った。
★【セキュリティポリシーWG】(リーダー:土屋茂樹/NTTデータ)
 2001年度に作成した「情報セキュリティサンプルポリシー0.91版」をベースに「N+I NETWORK Guide」誌(ソフトバンクパブリッシング社)に解説記事をWGメンバーで連載した。同時にサンプルポリシーの見直し作業を行ない「ポリシーサンプル0.92版」を作成。2002年12月に連載終了後、2003年1月には連載記事の内容を「情報セキュリティポリシー・サンプル解説書」として小冊子にまとめ配布中。
 2003年2月には合宿を行ない、ポリシーサンプルの見直しを行ない、ポリシーサンプル0.92a版を現在webにて公開中。
★【不正アクセス調査WG】(リーダー:園田道夫/アイ・ティ・フロンティア)
 2002年度は新たなテーマを設定して調査等実施し、秋にはWPC EXPO 2002セキュリティスタジアムに参加して調査結果の検証などを行った。2002年5月Network Security Forum 2002にて活動報告、2002年12月InternetWeek2002にて「不正アクセスの傾向と対策」というテーマで発表を実施、今後は調査レポートを作成予定。
 来年度への新たなテーマとして、ハニーポットによる不正アクセス手法の定点観測サイト構築へ向けて準備中。また、日経BP社と企画連携し、セキュリティスタジアムの開催(企画運営)へ向けて活動していく等も検討中。今年度で「不正アクセス調査」WGとしての活動を終了し、「ハニーポット実験WG(仮称)」「セキュリティスタジアム企画運営WG(仮称)」などに引き継いでいく予定。
★【コンテントセキュリティWG】(リーダー:松本直人/ネットアーク)
 2002年より検討議論を行っていたコンテントセキュリティ技術を概観する「コンテンツセキュリティガイド」を発行。WEBにて掲載、現在公開中。コンテンツセキュリティの啓発活動を広くWGにて検討中。
★【相互接続WG】(リーダー:関義和/ディアイティ)
 2002年度は新しい無線LANのセキュリティ機構である802.1Xを使っての相互接続実験を行った。  RADIUSサーバ、無線LANアクセスポイント、サプリカントソフトをそれぞれ複数用意し、組み合わせを変えてそれぞれの相互接続性を確認した。実験では最も多くの実装があるEAP-TLSを中心に行い、必要とされる証明書プロファイル、再認証の特性やAPのWEP鍵の取り扱いの特性など多くの情報を得ることができた。  現在は実験報告書の作成を行っており、2003年4月上旬にJNSAのWebページを通して公開を予定している。
★【IRT調査研究WG】(リーダー:武智洋/横河電機)
 IRT(緊急対応活動)についての勉強会を行ないながら、メンバーで??"?宸?????I?宸???敲?意見交換を行なった。
 2002年11月にはJNSA顧問の山口英先生をお招きしての勉強会を開催、2003年2月には通信総合研究所IRT実験評価設備見学会を実施した。
★【インターネットVPN-WG】(リーダー:松島正明/新日鉄ソリューションズ)
 4メーカ/4製品を使用し、実際の公衆無線LANサービスから 参加企業各社に設置したIpsec GW間でIPsec通信の可否を確認するとともに、障害原因確認の検証を実施。  調査内容および結果については、WPC Expoセキュリティスタジアムおよび、InternetWeek2002で発表。本年度の活動内容から得られた結果から、企業ユーザを対象とした「IPsecを利用したリモートアクセス導入の注意点」に関するドキュメントを現在作成中。これをもって本年度の活動成果物とする。
★【不正プログラム調査WG】(リーダー:渡部章/アークン)
 今後の方向性を見極めるために将来的成果物のインデックスを作成した。  その中から、本年度中にまとめられる内容として、一連のワーム事件を特に取り上げ、「ネットワーク・ワームの脅威とその対策」(仮称)について報告書として作成中。他の組織からの報告書と差別化するために、既存対策で検出できなかった理由、事件後の対応状況や、今後の対策への考察を中心にまとめている。
★【PKI相互運用技術WG】(リーダー:松本泰/セコムトラストネット)
 勉強会目的のWGを4回開催し、主にIETF/PKIX WGの標準化動向、Challenge PKI 2001,2002の成果の説明などを行った。3月末に今年度最後のWGを開催する予定である。
★【技術用語WG】(リーダー:佐藤慶浩/日本ヒューレット・パッカード)
 ネットワークセキュリティに関する用語の定義と解説を作成し、また、技術文書作成にあたっての英訳語集の作成を目標としている。情報セキュリティ標準調査WGが調査対象とする規格一覧を入手してから、その規格で取り上げられている用語の内容についても検討する予定であり、継続について審議中。
●勉強目的のWG
★【情報セキュリティ標準調査WG】(リーダー:佐藤慶浩/日本ヒューレット・パッカード)
 認定制度そのものに焦点を置いた調査を目的としたWGであり、今年度規格の分類表を作成したので、継続について審議中。
●プロジェクト
★【Challenge PKI 2002】(リーダー:松本泰/セコムトラストネット)
 昨年に引き続き、PKIの相互運用性を現実に動かす際の問題点などを検証することを目的と、今年は、下記のような内容を開発作成した。
(1)PKI相互運用テストスイートの開発 (サンプル実装の開発を含む)
(2)??"?宸?????I?????敲?GPKIのテストケースの設計
(3)GPKI実装ガイドライン
(4)GPKI相互運用実証実験
対外的な発表としてはIETFに2002年から連続して参加、また、JESAP(電子署名・認証利用パートナーシップ)にも参加し発表を行なっている。
54th IETF Meeting - 横浜にて発表
2001年度にChallenge PKI 2001で行った相互運用テストの結果について
55th IETF Meeting - Atlanta, Georgia にて発表
今年度のChallenge PKI 2002の計画について
56th IETF - San Francisco, California, USA にて発表
今年度のChallenge PKI 2002について

2.政策部会(部会長:下村正洋/ディアイティ)
政策部会では、様々な基準・ガイドラインの策定や、他団体との連携などを検討している。
★【個人情報保護ガイドライン作成WG】(リーダー:佐藤憲一/大塚商会)
 企業における個人情報の保護対策を実施、運用する場合の標準的ガイドラインを作成する目的で、当WGを設置した。また、成果物は、JNSAの知名度の向上を視野に入れ、一般書店で購入可能な書籍とする予定。よって、対象も、企業の総務、法務、経営企画、情報システム室等の管理職又は、個人情報を取り扱う部署の担当者とし、技術や法務に偏った難しい内容ではなく、全体的なわかりやすさを主眼としている。
2003年3月7日、個人情報保護法が国会に再提出された。今回、この改定内容も含め、6?7月に発刊予定である。
★【管理基準策定WG】(リーダー:丸山司郎/ラック)
 2001年度に策定した「JNSA行動指針(案)」の運用について検討を行なっている。
★【セキュリティ監査WG】(リーダー:河野省二/ディアイティ)
 経済産業省が主宰する「情報セキュリティ監査制度」策定のための委員会に、JNSAとしての意見、研究成果を報告した。これらの成果は「情報セキュリティ監査制度」に反映され、2003年1月にパブリックコメントに付されることになった。  2003年は地方自治体向け管理基準策定および、情報セキュリティ監査人のスキルマップ作成などを行っている。これらは次年度も継続して行われ、研究成果を公開するべく、準備中である。
★【セキュリティ被害調査WG】(リーダー:山本匡/損保ジャパン・リスクマネジメント)
 今年度は、前回の「被害&対策費用算出モデル」について??"?宸?????I?????敲?検討を加え、アンケート内容を大幅に整理して調査を実施した。現在報告書は4月中に完成予定であるが、今年の調査先においては、セキュリティ対策が進んでおり、大規模な被害がほとんど発生してない状況である。これに対し、世間では情報漏洩事故が毎日のように報告されている。今年の報告書では、この情報漏洩の被害額について考察を盛り込み、被害推計を算出する予定である。
★【成果物の取扱規程WG】(リーダー:北沢義博/新東京法律事務所)
 JNSAワーキンググループの成果物の取扱について定める必要性から、顧問弁護士北沢先生にリーダーをお願いし2002年初秋にWGを発足。各ワーキンググループリーダーの協力を得ながら、2003年2月に規程案が完成、2003年の総会での承認を目指している。

3.教育部会(部会長:石田晴久/多摩美術大学教授) 
ネットワークセキュリティ技術者の育成のために、産学協同プロジェクトの検討や大学や企業で行うべき教育のカリキュラムの検討、ユーザ教育の在り方についての調査・検討などを行なう。 ●プロジェクト ★【スキルマップ作成WG】(リーダー:松田剛/ヒューコム)  情報処理振興事業協会(IPA)の課題として「情報セキュリティプロフェッショナル育成に関する調査研究」というテーマで、スキルマップ(Skillmap)という、技術者の知識レベルを評価する方法論を作成した。これは、後日IPAホームページ上からも公開される予定である。Skillmapは技術的な知識を比較できる尺度として考えられており、人材募集や教育育成を行う際に、どのようなことを知っている人材が必要なのかについて、共通の尺度で知識内容と量を表現することができるものである。

4.マーケティング部会(部会長:熊谷恒治/マイクロソフト)
JNSA自身の認知度向上と、ネットワークセキュリティに関する普及・啓発活動等を行う。
★【CD-ROM作成WG】(リーダー:古川勝也/マイクロソフト)
 WGでコンテンツを検討し作成したセキュリティ啓発CD-ROMを12月半ばに公開、配布を開始した。一般的なオフィスをテーマにした15分のドラマ仕立ての分かり易い内容であり、配布開始以来、既に2000枚を超える実費配布を行ない、様々なメディア、情報誌などでも好評に取り上げられている。

5.西日本支部(支部長:井上陽一/ヒューコム)
2001年11月30日に第一回目の支部総会開催、以降、会員企業の交流を主題として10回の活動を行なった。2002年11月1日には、西日本支部発足一周年を記念して、「チャレンジ電子自治体とPKI」と題したJNSA&JESAP/ECOM大阪セミナーを開催した。
 2003年2月には、活動総括と次年度方針を検討、セミナーの定期開催を通じセキュリティに対する啓発活動を行なうこととした。
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