都道府県別平均点・点数分布分析

[2011.5.30]

受講者数はダントツで東京都。平均点では九州勢が上位に。

表9 : 都道府県別受講回数
表9 : 都道府県別受講回数
図13 : 都道府県別受講回数
図13 : 都道府県別受講回数

都道府県別では、やはり東京都が圧倒的に多く全体の30%を超えています。ただ、受講者が0(ゼロ)の都道府県はなく、全国で受講されているという結果になりました。図13は、上位10の都道府県とその他とを比較したグラフです。

都道府県の昼間人口(http://www.stat.go.jp/data/nenkan/zuhyou/y0230000.xls 国勢調査(2005年)都道府県別昼間人口)を考慮して、昼間人口の何人に一回の受講があったのかを出したのが表10です。人口を考慮すると受講回数では全国4位の広島県が東京都を逆転しています。また、受講回数全国14位の福井県が3位にランクアップしています。

表10: 都道府県別の人口/受講回数
表10: 都道府県別の人口/受講回数
表11: 都道府県別平均点
表11: 都道府県別平均点

都道府県別の平均点は、業種別や職種別とは違った結果になっています。「鹿児島県」が1位ですが、業種や職種別では1位が89点代であるのに、「鹿児島県」は91点代となっています。また、2位の「千葉県」より3点以上も平均点が高くなっています。

都道府県別の集計・分析の結果数値を見てみますと、当初の予想以上に分布のばらつきが目立っています。

これらは人口の分布という要素だけではなく、都道府県ごとの文化や慣習などの違いから「県民性(お国柄;おくにがら)」というものがあり、さらにそれらに起因するワークスタール、ライフスタイルの違いなどが、今回のような差異を生んでいるではないかと考えられます。(これらは、TV番組『秘密のケンミンSHOW』などでも、そうした傾向があることが明らかにされていますね)

「県民性」においては、日本と諸外国というような、「国民性」または「民族性」ほどの格差はないと思われますが、ある程度の「県民性」による差異があるものと考えられます。大学共同利用機関である統計数理研究所(とうけいすうりけんきゅうじょ、The Institute of Statistical Mathematics;旧文部科学省統計数理研究所)では、昭和28年(1953年)から5年おきに「日本人の国民性調査」を実施しており、科学的な分析がされています。(最近では、2008年に第12次調査が実施されました)この調査では、個人的態度、宗教、子供・家、身近な社会、男女の差異、一般の社会的問題、政治的態度、などの項目で、その差異が分析されています。

また、民族学においての「民族性」では、文化・集団の中に最もたくさん見られるパーソナリティの型(モーダル・パーソナリティ、modal personality)があり、慣習に沿った行動の心中にある心理状態を明らかにすること、文化・集団・慣習の中に在る個人差を明らかにすることが目的とされています。

これらの要素において、情報セキュリティでは、特に身近な社会(経済や産業、社会環境そのもの)、文化・慣習などが、受講回数や平均点数などに影響を与えていることが推測されます。集団意識が強かったり、他の都道府県との競争意識の強かったりするところでは、受講回数が多いと思われます。また、身近な社会(盛んな産業とそれによる経済への影響)の影響の強いところが、平均点数が高いと思われます。

ただし、これらの分析結果では、都道府県というくくりで一概にその性質を定義したり、イメージとして持ったりすることはできないと思われます。また、時間とともに県民の性質が変化していて、現状の実態とはギャップが発生していると考えられることから、あくまで、ある時点での推測的傾向としなければならないでしょう。

《参考文献・URL》
 ・「日本人の国民性調査」~統計数理研究所
 http://www.ism.ac.jp/kokuminsei/

 

(株式会社ラック 長谷川 長一)