職種別平均点・点数分布分析

[2011.4.28]

望まれる学生のリテラシー向上

情報セキュリティ理解度チェックの職種別平均点を表7にまとめました。

表7 : 職種別平均点
表7:職種別平均点

全体の平均点では「教師」がトップです。しかし、2009年7月7日までの平均点が高く、それ以降では受講回数も少なく平均点は下位に属してしまいました。全体的に平均点が高く安定しているのはコンピュータ関連の職種です。低い点数を取ってはならない職種でしょうし、企業としても情報セキュリティへの取組の姿勢が見えるようです。

少し気になる点が「学生」の平均点が低いことです。文系理数系を問わず、これから企業に就職する場合には情報セキュリティの知識は必須となってきますので、もう少し頑張って欲しいと思います。また、コンピュータに触れる機会が少ないと思われる職種が下位に位置付けられていますが、情報セキュリティでは企業で扱う情報の機密性や安全性を維持する事ですので、職種に問わず情報セキュリティの知識を身につけて欲しいものです。

次に点数分布をグラフにまとめてみました。全体を通じて受講回数が多く平均点の高い「コンピュータ関連その他」と、平均点が低い「営業」、その中間の「管理職」を抜粋し、全職種と比較してみました。

「コンピュータ関連その他」では、2009年7月8日以降で100点が多くなっています。情報セキュリティが根付いてきたのでしょうか。この傾向が続く事を望みます。

図9:点数分布・コンピュータ関連その他
図9:点数分布・コンピュータ関連その他

「営業」のグラフでは、80点前後が多くなっています。また、全業種に比べて50点台も多く、情報セキュリティの認知が進んでいないことが分かります。営業職では顧客情報などを扱う機会が多いと思いますので、情報セキュリティの知識を底上げする必要があると思われます。

図10 : 点数分布・営業
図10 : 点数分布・営業

「管理職」では、全職種と比較しても劣っているとは思えませんが、2009年7月8日以降では平均点が落ちてきています。本来であれば、年を重ねる毎に取得点数が上がって欲しい職種です。

図11 : 点数分布・管理職
図11:点数分布・管理職

職種を問わず情報セキュリティの知識を身につければ、情報を扱う場合のモラルの向上や、情報漏洩などの事故を減らすことができます。次回の情報セキュリティ理解度チェックの集計を行った時には平均点が向上している事を期待します。

(株式会社ブリッジ・メタウェア 平田 敬)