JNSAメールマガジン 第78号 2016.1.22☆★☆
(JNSAセキュリティ市場調査WG/サブスクライバ 蜂巣 悌史)
この度はコラム執筆の機会をいただきありがとうございました。サブスクライバ登録して参加させていただいております蜂巣と申します。今回は私が参加している市場調査WGについて紹介させていただきます。
私がこのWGに参加したのがいつだったかと思い振り返ってみると、2010年2月にリリースされた平成21年度情報セキュリティ市場調査への執筆が最初だったので、おそらく2009年の9月10月ぐらいに入会したのではないかと思います。早いもので6年以上経過していました。当時私はセキュリティ関連のパッケージソフトの販売、構築などを実施していた小さいシステム会社に所属していました。もう少し業界について知りたいと考えていたところ、当時JNSA事務局の方から紹介され、このWGの門を叩きました。このWGに参加し始めた頃は今まで関係がなかった企業に所属している方々と交流させていただきながら、情報セキュリティに関連する分野のカテゴリの分け方や、それぞれのカテゴリにおける市場規模感などを眺めつつ、普段の業務では感じることがない視点で、”なるほどな”と思いながら、夕方から始まるWGの会合に参加していた記憶があります。その後メンバーが入れ替わっておりますが、当時から継続して関わっているメンバーは今でも3名ほどおります。
本WGのこれまでの活動としては、2005年3月にリリースした平成16年度情報セキュリティ市場調査から始まり約10年に渡り活動を継続しております。アンケート調査やヒアリングを実施しながら公開されている情報を収集し、それらの数字を統合的に整理し集計を行っていく活動がベースとなっております。現在はアンケートやヒアリングは実施しておりませんが、今まで積み重ねた集計ロジックを踏襲しながら、毎年各メンバーの現場での感覚や、社会情勢などを勘案し、ベースとなる理論をブラッシュアップしています。このようにリリースしてきた数字は基本的に同じ視点で積み重ねてきたものとなります。このことから一つの指標を世の中に提供することで、少しでも社会へ本WGの活動の成果を還元できているのではないかと思っております。このあたりがまさに「継続は力なり」を地でいく取り組みとなり、私自身気に入っているところになります。
さて、毎年1月頃になると速報値として調査結果がまとまってくる時期ですので、この機会に少しだけ報告させていただきます。昨年度の調査で2014年度は前年比5.9%伸びと見込推定していましたが、今回調査で2014年度は前年比10%を超えるに伸びと実績推定しました。このまま10%台の伸びが続く場合は、2016年度にはいよいよ日本の情報セキュリティ市場規模は1兆円を超える可能性も出て参りました。背景には情報セキュリティにかかわる大きな事件・事故が続いたのと、国内企業の業績改善に伴い、各企業が情報セキュリティ対策への投資意識の高まりが考えられます。また保険を活用した情報セキュリティリスクの移転の動きも目立ってきました。詳細は6月頃にリリース予定の報告書を確認いただければ幸いです。
最後に、「来年の事業計画の指標にしたいので、いつリリースするのか教えてほしい」など、私たちの取り組みを評価頂き、活用しているという話を聞く機会があり、とても嬉しい気持ちになりました。今後も微力ながら本活動を継続し、国内市場を測る定規としての役割を担っていければ幸いです。また、WG後に有志で開かれる反省会も魅力の一つです。本コラムを読んで興味を持っていただけましたら、一緒に活動していただけますと助かります。