★☆★JNSAメールマガジン 第47号 2014.10.31.☆★☆

こんにちは
JNSAメールマガジン 第47号 をお届けします。

寒くなったり暖かくなったり体調管理が難しい季節になりました。
各地で紅葉も見頃のようですね。

先日のお天気が良い日に、飛行機の上から日本列島東北地方の紅葉を綺麗に見ることができました。日光は中禅寺湖から福島県の猪苗代湖・磐梯山そして田沢湖、十和田湖、八甲田山と、どんどん山が色づいていく様子を眺めることができ、なかなか紅葉を見に行く機会は無かったのでちょっと得した気分になりました。

JNSAでは来週11月7日には日韓シンポジウムの開催、12月には大ライトニングトーク大会の開催、その他会員向け勉強会の開催など、これからイベントをたくさん予定しています。ぜひ多くの方の御参加をお待ちしています!

さて、今回のリレーコラムはJNSA顧問弁護士/井原法律事務所 弁護士森山裕紀子先生よりご寄稿いただきました。

【連載リレーコラム】
「技術的制限手段に対する不正競争行為について」
( JNSA顧問弁護士 井原法律事務所 弁護士 森山 裕紀子)

コンテンツ提供事業者が適切にコンテンツを流通させるために編み出した策として、コピープロテクションがありました。しかし、違法コピーとの戦いはいたちごっこのようなもの。コピープロテクションが普及するとコンテンツの視聴・実行を制限するアクセスコントロールを不正に回避する装置の頒布などが行われてしまいました。

このような状況の中、コンテンツ提供事業の存立基盤の確保のために必要と言われていたことの1つに、コンテンツ提供事業者がコンテンツ保護のためにコンテンツに施した無断複製や無断視聴等を防止するための技術的制限手段を無効化する装置等への規制があげられていました。

このような違法コピーなどをめぐる動向を受けて、不正競争防止法には、この技術的制限手段に対する不正競争行為というものが規定されるに至りました。

私たちの社会は、自由競争を前提とする自由経済社会です。しかし、それを逸脱するような不正な競争までが許されているわけではありません。不正競争防止法は、自由競争を前提とした上で、法が不正競争として規定した行為について、民法の不法行為(709条)の特別法として差止請求と損害賠償請求を認め、さらに刑事罰などを規定している法律です。

IT関係の技術は、進歩も普及も早いという特徴があります。旧来の不正競争防止法では、損害賠償と差止請求だけが不正競争に対応する手段でしたが、インターネット上では匿名性を保つことが容易であり、民事的手段では行為者を特定できないこともありました。このような民事における行為者の特定の困難性という観点などから、技術的制限手段に対する不正競争行為についても、刑事罰の導入もなされたようです。

まだ、技術的制限手段に対する不正競争行為に刑事罰が導入して間もないですが、民事的請求も含め、技術的制限手段回避装置・プログラムとして裁判で認められた例が数件でてきました。

まず、民事事件では、携帯型ゲーム機を製造・販売する会社及びソフト会社数十社が原告となり、インターネットからダウンロードした違法コピーソフトを起動させる機器を輸入・販売していた事業者を被告として、当該機器の輸入・販売の差止めと廃棄を請求し、認められた事案があります。

次に、刑事事件では、違法コピーソフトの起動を可能にするよう改造を施したゲーム機を、違法コピーソフトとともにインターネットオークションを通じて提供していた者に対し、罰金80万円が科された事件や、違法コピーソフトを携帯型ゲーム機で起動させることができるプログラムを記録した記録媒体を販売した者に対し、懲役2年・罰金200万円(執行猶予4年)が科された事件、ファイル共有ソフトを使って、カードを不正に改変してテレビの有料放送を無料で見られるようにするプログラムをインターネット上に公開し提供した者に対し、懲役2年(執行猶予3年)が科された事件などがあります。


このような民事的請求や刑事罰が科されるには要件があります。まず、不正競争防止法に規定される「技術的制限手段」とは、電磁的方法により、@影像・音の視聴、Aプログラムの実行、B影像・音・プログラムの記録を制限する手段のいずれかであることが必要です。その上で、視聴等機器が特定の反応をする信号を影像・音・プログラムとともに記憶媒体に記録する方法によるか、送信する方法によるもの、または視聴等機器が特定の変換を必要とするよう影像・音・プログラムを変換して記憶媒体に記憶する方式のもの、送信する方法によるものとされています。

技術的制限手段に対する不正競争行為とされる行為は、営業上用いられている技術的制限手段により制限されている、@影像・音の視聴、Aプログラムの実行、B影像・音・プログラムの記録を、当該技術的制限手段の効果を妨げることにより可能とする機能を有する装置、プログラムを記録した記録媒体又は記録した機器を、譲渡し、引渡し、譲渡引渡しのために展示し、輸入し輸出する行為や、当該技術的制限手段の効果を妨げることにより可能とする機能を有するプログラムを電気通信回路を通じて提供する行為です。

これらの行為に対して、民事的請求としては損害賠償や差止請求ができますが、刑事罰が科されるためには行為者に「不正の利益を図る目的」又は「営業上技術的制限手段を用いている者に損害を加える目的」といういわゆる図利加害目的が必要となります。

具体的刑事罰としては、当該行為者については5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金の両方を科される可能性があります。さらに、法人の従業員がその施用者である法人の業務として技術的制限手段に対する不正競争行為を行った場合には、法人も処罰される可能性があり、最高で3億円の罰金が科される可能性があります。

裁判例も徐々に出てきている中、コンテンツに対する適正な保護制度が一歩一歩進んできているように思われます。

#連載リレーコラム、ここまで
<お断り>本稿の内容は著者の個人的見解であり、所属企業及びその業務と関係するものではありません。


【部会・WG便り】
★公認会計士・税理士の高田正昭先生を講師にお招きして「マイナンバー制度に関する勉強会」を開催します。
 お申込みはJNSA事務局までお願いします。

  日時:2014年11月27日(木) 18:00〜20:00
  場所:5東洋海事ビル
     http://www.forum-s.jp/daigotoyo.php

★新ワーキンググループ発足!「脅威を持続的に研究するWG」ただいまメンバー募集中です。
参加希望の方はJNSA事務局までご連絡ください。

 <第1回WG会合>
  日時:2014年11月12日(水) 17:00〜19:00
  場所:JNSA事務局 1階 会議室

★「IT・セキュリティキャリア女性活性化WG」では、証明書と暗号化に関する勉強会を開催します。
 JNSA会員企業の方でしたら男女問わずどなたでも参加できます。
 お申込みはJNSA事務局まで。

 「いちから学ぼう、身近な証明書と暗号」
  日時:2014年12月5日(金) 17:15〜19:00
     ※勉強会終了後に懇親会も予定しています。

  場所:日本マイクロソフト株式会社
★「JNSAソリューションガイド」
 「中小企業向け対策」と「標的型攻撃メール対策」の特集検索機能を追加しました。
 ぜひ会員企業の方はご登録下さい。
 http://www.jnsa.org/JNSASolutionGuide

【事務局からの連絡、お知らせ】
★「第4回 日韓情報セキュリティシンポジウム」を11月7日に東京で開催します。
 終了後に懇親会も開催しますので、ぜひあわせてご参加ください。

  日時:2014年11月7日(金)10時〜17時30分
  場所:フクラシア東京ステーション 6階 会議室D
     http://www.fukuracia-tokyo.jp/access/
   プログラム・お申込みは↓こちら↓から
 http://www.jnsa.org/seminar/2014/1107/
★2014年度の「JNSA賞」募集中です。
 自薦他薦を問いませんので、ぜひ「この人に!」「自分こそ!」と思う方がいらっしゃれば推薦をお願いいたします。
 http://www.jnsa.org/jnsaaward/2014/

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