★☆★JNSAメールマガジン 第46号 2014.10.17.☆★☆

こんにちは
JNSAメールマガジン 第46号 をお届けします。

ツイッターを禁止した高校の校長先生が「禁止にも関わらずツイッター に投稿している生徒がいる、皆さんを監視します。覚悟しなさい」と ツイッターに投稿したとされていましたが、実はこのツイッターの校長 先生はニセモノのなりすましであったと今朝のニュースで流れていました。 さらに、「この投稿はニセモノです」と流したさらなるニセモノの校長先生 も出現しているらしく、何が本当かよくわからなくなっているそうです。 顔が見えないネット社会では、何が本当で何がニセモノなのか見極める のがますます難しくなっていきますね。

さて、今回のリレーコラムは大日本印刷株式会社 野津 秀穂様による連載 「内部不正の原因の可能性と対策に関する雑考」の最終回、組織文化編を お送りします。

【連載リレーコラム(3):テーマ「内部不正」】
「内部不正の原因の可能性と対策に関する雑考(3)組織文化編」
(組織で働く人間が引き起こす不正・事故対応WG/大日本印刷株式会社 野津 秀穂)
前々回の「(1)原因編]にて検討対象の事例を特定し、原因の可能性を想定 した。 前回の「(2)対策編」では、原因への直接的な対策を検討した。 今回の(3)組織文化編に移る前に、前回の対策で宿題となった「仕事愛への 欠如」への対策を検討する。

4.3.2 「仕事愛の欠如」

「会社に迷惑を掛ける」ことが会社を「人」として感じないために心情的な 「罪の意識」に結び付かない。会社に心情的なものを感ずるとは、どういう ことであろうか。解決の視点としては「会社を好きになる」ことがある。こ れは「自分の仕事が好きになる」ことでもあり「自分の仕事に誇りを感ずる」 ことでもある。即ち「働き甲斐」や「自身の存在意義(自己実現)」を実感 すると、自然に内部不正の「動機」も排除でき、ここへの背信行為は、大い に心情的「罪の意識」を感じることになる。

「レンガを積むという仕事」の場合、「積むのが仕事」と捉えるのと、「積 んだレンガが教会になって、人々の祈りの場になる」と捉えるのでは、モチ ベーションは大きく変わる。
現代の仕事環境では分業化が進み、セキュリティ対策の観点からは権限分離 も進んでいるため、自分の仕事がどのように社会に貢献しているか、自分の 仕事の成果を喜んでいる人がいるのか実感を得にくい場合がある。「会社」 や「社会」を「人」として感じなくなる疎外感をもたらすのではないか。

解決方法の一例として「喜んでいる人の顔を見る」ことも有効であり、具体 的には「顧客先への見学会」、「家族による職場見学会」や古典的手法だが 家族参加の運動会などの実施例も参考になる。

5.組織文化による内部不正抑制

ここまで「不正のトライアングル」理論を基準として考察を進めてきたが、 加えて「組織文化」によるアプローチも重要な視点であることを提言したい。 前項で「会社」を「人」として感じることにより「会社に迷惑を掛ける」と いうことが「罪の意識」につながる方法を検討した。対策を以下に述べる。

5.1 目標管理の利用

「組織」とは目的を共有する集団であり、ドラッガーが「現代の経営」にお いて主唱した「目標管理」の手法でも「個々の業務目標が事業全体の目標と 合致することが必要である。」と述べている。「目標管理」は働く人々に 「やる気」を起こさせるもっとも有効な施策である。この「目標」の共有化 に「社会貢献」などの視点を加えると社会からの疎外感も排除でき内部不正 抑制にもつながる可能性がある。 「社会貢献」を従業員が実感することは「組織文化」の一つの要素でもある。

5.2 マインドフルな組織

「性弱説」からの脱却のためには、弱い人間を援助して救出する文化が必要 となる。誰かが小さな異変の兆候に気がついたとしても「言っても無駄だか ら言わない」のでは、組織としてはマインドレスでしかない。「マインドフ ルな組織」[2]とは、常に対話と確認を繰り返し、
「今どのような状況なのか」
「何が問題なのか」
「どのような対処策があるのか」
を検討し、行動に移せる組織のことをいう。
マインドフルな組織を実現するためには、管理者は全体を把握して、現場の 問題点を探す感性が必要であり、従業員と頻繁にコミュニケーションを行い、 現場に気を配る、そのためには、お互いに率直な発言のできるような人間関 係も重要である。

この実現には訓練が必要となる。管理者は異変の兆候の報告を受けた際に、 ともすれば
「誰がやったのか?(犯人探し)」
「どうしてだ?(原因さがし)」
といいたくなるものである。これは、自分に責任が“ない”根拠を探している にすぎない。必要な事項は、「何かが起きている可能性がある」を聞き出すこ とであるが、また同時に管理者に精神的過負荷が集中し管理者を疲弊させては ならない。管理者は関係組織に情報を伝達し、ひとまず責任を果たしたとする ことも運用維持継続に必要な配慮となる。

6. おわりに

本稿では、「不正のトライアングル」理論と「組織文化」を基準として内部不 正の原因の可能性と対策を考察した。筆者の主観的想像に基づくことは否めな い。現代の内部不正の一形式として考慮の対象としていただければ幸いである。

○参考資料
[2]「高信頼性組織の条件」明治大学経営学部教授 中西晶 生産性出版 2007年
#連載リレーコラム、ここまで
<お断り>本稿の内容は著者の個人的見解であり、所属企業及びその業務と関係するものではありません。


【部会・WG便り】
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【事務局からの連絡、お知らせ】
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 終了後に懇親会も開催しますので、ぜひあわせてご参加ください。

 日時:2014年11月7日(金)10時〜17時30分
 場所:フクラシア東京ステーション 6階 会議室D
    http://www.fukuracia-tokyo.jp/access/
 プログラム・お申込みは↓こちら↓から
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当日はJNSA会員企業紹介の時間を設けます。
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