★☆★JNSAメールマガジン 第101号 2016.12.16 ☆★☆

こんにちは
JNSAメールマガジン 第101号 をお届けします。

いよいよ年末も近づいてまいりました。
12月と言えば、JNSAセキュリティ十大ニュースの季節です。
今年は12月26日(月)にホームページ上で発表予定です。この日にはメールマガジン臨時号も発行しますので、ぜひお楽しみに!

参考までに昨年のセキュリティ十大ニュースはこちらです。
今年は何がランクインするでしょうか?
http://www.jnsa.org/active/news10/2015.html

さて、今回のリレーコラムでは、「検索結果は価値を正しく表示しているのか?
キュレーションサイト騒動から」について、読売新聞編集委員の 若江雅子様にご寄稿いただきました。


【連載リレーコラム】
検索結果は価値を正しく表示しているのか? キュレーションサイト騒動から

(読売新聞編集委員 若江 雅子)

 ディー・エヌ・エー(DeNA)の運営するキュレーションサイトで無断転用や不正確な記事の存在が次々と発覚し、全10サイトがサービス停止に追い込まれました。一連の問題は、過剰なSEO(検索エンジン最適化)が、検索結果と情報の本来の価値を乖離させている現状に一石を投じたともいえそうです。

 まず簡単におさらいすると、最初にDeNAの医療系情報サイト「WELQ」が炎上したのが10月下旬でした。
 きっかけは、「人生に疲れたな、と思ったとき」などと題した記事。「今、死にたいと思っている人へ」と呼びかけた上で、「(死にたいと思う人は)承認欲求が強い」「自己承認力を高めるには、自己分析が有効」などと勧め、診断テストの広告に誘導する内容でした。特に批判の的となったのが、この記事に「死にたい」と検索した人をターゲットにしたSEOが施されていた点です。

 SEOの専門家である辻正浩氏によると、ウェブマーケティングの世界では「死にたい」という言葉の検索ニーズが高いことはよく知られているそうです。
 グーグルでは「死にたい」やそれに類した言葉は1か月間で40万回以上検索されています。辻氏は「使えば閲覧数が上がることは分かってはいても、モラルとして、やってはいけないことだった」と指摘します。

 その後も次々と科学的根拠を欠く記事や無断引用が疑われる記事が見つかりました。一般的な外食の問題でしかないのに「餃子の王将メニューでアレルギーは起きるの?」と書いた記事や、肩凝りの原因に「幽霊が原因のことも?」とする記述もありました。

 結局、DeNAがWELQだけでなく全サイトの記事を非公開としたのは12月5日、守安功社長と南場智子会長が記者会見を開いて陳謝したのは同7日です。
 会見内容を大ざっぱにまとめると、
@一般の人が誰でも投稿できるというスタイルをとっていたものの、社外のライターに報酬を払って作成した記事が多かった。WELQでは9割が外注記事
A専門家が監修する体制は整っていなかった
Bライターに対するマニュアルで、他の記事を引用する場合には複数の記事を混ぜ、語尾を変えるなど、記事転用と著作権逃れの方法を「指南」するような内容だった・・・など。倫理不在の中で、内容を度外視した記事の量産が続けられてきたと言えそうです。

 改めて驚かされるのは、これほどの無責任な記事が、検索すれば常に上位表示される「人気」記事だったことでした。辻氏が約400の病名で検索して上位10位以内に入った記事を調べたら、昨年11月27日の段階ではWELQの記事は1件でしたが、今年11月22日には196件になっていました。

 守安社長は会見でもSEO重視の方針だったと認めていましたが、いかに徹底したSEOが行われていたかが推測されます。
例えば、前述の「餃子の王将」のように有名チェーン店の名前を入れることもその一つでしょう。長文記事が多かったのも、長い文章が順位を押し上げる効果を発揮するためとみられます。

 ただ、辻氏によると、「DeNAは汚い手法のSEOをしていたわけではなく、グーグルの公式なガイドラインに沿った手法を使っていた。その量と範囲が凄かっただけ」だそうです。つまり、今のグーグルの検索アルゴリズムでは大量の資金を投じれば内容の真偽や価値にかかわらず、上位に表示させられるということです。
 経済力を使って、量産した記事をSEOで検索上位に押し上げ、閲覧数を増やして広告収入を稼ぐというビジネス。そこに倫理がなくなったらどうなるのか。
 そのうち私たちはネット上でゴミしか見つけることができなくなるかもしれません。ユーザー側も、デマTweet、釣り広告などの真偽を見極める必要があるでしょう。

 ところで、一連の問題はインターネットメディアのいい加減さを浮き彫りにした、との指摘もありますが、一方で、その問題を暴き、追及したのもネットメディアだったことは忘れてはいけないと思っています。新聞やテレビが報じたのは、ネットメディアが様々な問題を告発し、DeNA側が方針転換を決めた後でした。
 私たち新聞も取材力を磨かなくては、とひそかに焦っています。


#連載リレーコラム、ここまで

<お断り>本稿の内容は著者の個人的見解であり、所属企業及びその業務と関係するものではありません。



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 プログラム・お申込みは↓こちら↓から。
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◆会場:スタンダード会議室 虎ノ門スクエア4階会議室
 東京都港区虎ノ門1-15-10 名和ビル4階(銀座線虎ノ門駅徒歩3分)
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◆参加費:1,000円/名
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◆参加対象:JNSA会員及び関係者
◆お申込み方法:事務局(office@jnsa.org)までお申込み下さい。

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 ぜひご覧下さい。
 http://www.jnsa.org/security/index.html

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