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会長ごあいさつ

 ■ 今後の情報社会とJNSA

会長 田中英彦
(情報セキュリティ大学院大学 学長)
JNSA会長 田中英彦
会長/田中 英彦

 情報セキュリティは、従来、その重要性が様々なところで語られて参りました。また、各社では様々な施策が講じられ、様々なセキュリティ製品も開発されて参りました。それに伴って、一見、対策は十分なされてきたようにみえます。

 しかしながら、情報セキュリティ対策と脅威は追っかけっこの様相を呈しておりますし、人間のやることですので、浜の真砂と同様、情報セキュリティに完成は無いようにも思います。
 昨今、公的機関からの情報漏洩、グローバル企業からの大規模漏洩などもマスコミの話題になりましたが、それらをみると情報セキュリティを護る基本がまだまだ常識にはなっていないように思います。殆どのシステムは安全であると言っても、一か所でも不十分であればそこが弱点になりますし、グローバル企業は各国での文化や遣り方に応じた対策も必要です。

 また、最近、情報セキュリティはグローバル問題であるとともに、社会問題であるという側面が強く出て参りました。セキュリティへの攻撃をかける目的も、以前は興味本位から、その後、お金を取る専門家として攻撃をかける職業へと変遷し、最近は、企業のやり方が気に入らないという理由からとか、公的情報 のあり方に関する信念からとか、更には国がその攻撃に関与している可能性すら出て来ています。

 一方、ITが発達しFacebook等のSNSが普及するに連れ、個人に関わる情報が容易に取得できる状況になった結果、それら膨大な情報を集めて分析に使い、例えば生命保険や銀行で、その人の知らない所で個人の評価に利用することが始まっております。
 これは単なるプライバシの問題ではなく、もっと根本的な問題を内包しており、ITは便利である反面、大きな社会問題を孕んでいると考えられます。このような状況にあって、情報セキュリティを担保し情報 社会を健全に発展させることは大変重要な課題で、私たちのビジネス・生活の依って立つベースであります。

 JNSAは、我が国の情報セキュリティを護る企業の先駆的な集まりとして、これまで様々な活動を通じて我が国の情報セキュリティに貢献して来ました。
 特に、実務的で社会に根差した活動には素晴らしいものがあり、広く使われている統計情報を提供したり、また様々なノウハウ集、対処手法などを関係者が知恵を寄せあって作る、最近課題のワークショップや勉強会、更には情報セキュリティの啓発セミナを開催するなど、広範で活発な活動があり、今後とも社会のJNSAに対する期待は大変大きなものがあります。
 私も、JNSA並びにセキュリティ業界の発展に努力致す所存ですので、是非、皆様、今後ともそれぞれの力を持ち寄り、共によりよい情報環境を作りあげようではありませんか。